なぜ無脂肪乳のフラペチーノをホイップ大盛りにしてしまうのか? 人の不合理な行動をオルタネイトモデルで読み解いてみる
オルタネイトモデルとは?
オルタネイトモデルとは、芹澤連氏が著書『“未”顧客理解』(日経BP、2022年)で提唱している顧客理解のためのフレームワークです。 芹澤氏によると、人の行動は4つの要因で決まります。 ・きっかけ:「その行動は、どんな状況で起こったのか?」 ・欲求:「その行動は、どんな欲求に根差しているのか?」 ・抑圧:「その行動は、どんな制限や条件付けを受けているのか?」 ・報酬:「その行動をすると、どんな良いことがある(悪いことが起きない)のか?」 行動には、まず「きっかけ」があります。「きっかけ」があった後、本能的な反応である「欲求」が起こります。ただその欲求のまま行動するわけでなく、社会性や理性がその欲求にブレーキをかける「抑圧」が起こります。「欲求」と「抑圧」の間で揺れ、最終的に「報酬」が最大化するように、起こす行動が決まるのです。 思い返すと、私が愛用しているMacBook Proを購入したときも、似たような思考をしていました。 ┌────────── 数年使っていたMacBook Proが限界に感じていた矢先、新製品が発売されました(きっかけ)。 Apple信者である私としては、新製品を紹介するWebサイトを隅々まで見て、どうしても買いたいと思いました(欲求)。 一方で、高額な出費になるため、心の中では「本当にそんなに高いものは必要?」という声が聞こえてきます(抑圧)。 目を瞑って、買った後の自分を想像しました。「これがあれば、仕事はもっと捗るし、ワクワクした毎日が過ごせるに違いない」(報酬)。 最終的には、「これは自分への投資なんだ」と言い聞かせて、MacBookを購入しました(行動)。 まさに「欲求」と「抑圧」の中で揺れて、MacBookを買っていたのです(笑) └──────────
オルタネイトモデルを使って不合理を読み解いてみる
では、冒頭のフラペチーノを買った女性はどのように思考したのか、オルタネイトモデルを使って解釈してみたいと思います(実際に聞いたわけではないので、私の想像です)。 ■ 普段の場合 ふとSNSで、新作のフラペチーノを紹介している友人の投稿を見かけたとします。 心境としては「新作が出たんだ。せっかくだから飲んでみたい」という欲求が生まれます。なんなら、大好きなホイップクリームも大盛りにしたい。ただ最近、外食も多かったし、カロリーが高そうだから、今日は控えたほうがよいかなと抑圧が起き、フラペチーノを飲むのを我慢するという行動をとります。