遠藤雄弥主演、岐阜・飛騨が舞台の映画「仏師」製作決定 共演に土村芳
「ONODA 一万夜を越えて」「辰巳」で知られる遠藤雄弥が主演を務める映画「仏師」の製作が決定。「本気のしるし 劇場版」「劇場版 おいしい給食 卒業」の土村芳を共演に迎え、田中綱一が10年間も温めてきた完全オリジナル脚本で長編初監督を果たす。 【画像】土村芳(他2件) 本作は、ある出来事をきっかけに仏を彫ることができなくなった仏師の魂の救済を描いた物語。軸となるのは、自然豊かな飛騨の集落に移住してきた若い夫婦、仏師の直哉とその妻・陽真理だ。新たな土地で生活を始める2人だが、直哉は仏像が彫れず、一方の陽真理にも胸に秘めたわだかまりがあった。初めは用心深く様子を伺っていた集落の住人だったが、夫婦が隣人の吾郎やその孫娘・希々夏(ののか)と仲を深めるにつれ、少しずつ2人を受け入れるように。やがて集落のお堂にある焼けた観音像をめぐって、人々が抱えた罪や後悔の思いが明らかになっていく。 遠藤が直哉、土村が陽真理役で出演。撮影は2025年から2026年にかけて、岐阜県飛騨市を中心に行われる。映画は平成プロジェクトによる製作・配給のもと2026年の全国公開を予定。プロデューサーには副島義樹、益田祐美子が名を連ねた。なお本日10月16日には遠藤らが出席する製作発表会も飛騨で開催された。 田中は1981年に大阪に生まれ、日本大学芸術学部の映画学科を卒業した経歴を持つ。助監督として原田眞人や大友啓史の作品に参加したのち、渡英してグローバルな環境での映画作りを学んだ。帰国後は映像ディレクターとして企業PVやWeb広告を手がけるかたわら、ドラマ「TOKYO VICE Season2」などに助監督として参加している。 遠藤は「私たちが生きていて、少なからずとも直面した事のある、過去の出来事との対峙に焦点をおいた物語になっています。仏像彫刻家である直哉と妻の陽真理が抱える、過去に冒してしまった出来事とどう向き合い生きていくのか」「観ていただいた皆様の心にしっかりと響き、心で考える。そんな作品になるように努めていきたいと思っています」と意気込みを語った。土村と田中によるコメントも下記の通り。 ■ 遠藤雄弥 コメント こんにちは。この度、映画「仏師」で直哉役を演じさせていただきます、遠藤雄弥です。 今作では、拭いきれない罪、後悔、反省…。あの時ああしていれば… 私たちが生きていて、少なからずとも直面した事のある、過去の出来事との対峙に焦点をおいた物語になっています。 仏像彫刻家である直哉と妻の陽真理が抱える、過去に冒してしまった出来事とどう向き合い生きていくのか。 今回、岐阜県飛騨市、高山市、そして奈良県のロケーション、雄大な自然と四季の美しさに包まれながら、このストーリーを生み出した田中綱一監督、そして土村芳さんが演じる陽真理と共に様々な感情や出来事を共有し、向き合い苦しみ、それでも前を向いて生きていく。観ていただいた皆様の心にしっかりと響き、心で考える。 そんな作品になるように努めていきたいと思っています。映画「仏師」御期待ください。 ■ 土村芳 コメント 初めて監督とお会いした時、作品に込める強い思いや祈りのような気持ちを伝えていただきました。口下手な私はあの時緊張していて上手く伝えられたか分かりませんが、私が演じる陽真理という役と共にこの物語を生きることで、直哉と陽真理の夫婦とじっくりと向き合いその日々を見守っていきたいという思いが込み上げてきました。 田中監督、主演の遠藤さんはじめとする、この映画のために集まる素晴らしいチームの方々とご一緒させていただけること、飛騨、高山、奈良の地でこの物語が始まることを今からとても楽しみに脚本を読みながら想像を膨らませています。沢山の方に届けられるよう心を込めて臨みたいと思います。 ■ 田中綱一 コメント 企画が動き出してから既に何度か飛騨や高山を訪問させていただいていますが、毎回違った表情を見せてくれるこの土地に、そして出会った人々の親しみ深い人柄に、すっかり魅了されています。 脚本作りの段階から、それぞれの役柄と真摯に向き合い続けてくださっている遠藤さん、土村さん、そして信頼できる仲間と共に、これから一年に渡って四季折々の自然の中で映画作りができると思うと、ワクワクすると同時に、自分自身も物語にしっかりと向き合わねばと身が引き締まる思いです。映画「仏師」どうぞよろしくお願いいたします! ■ 田中綱一 企画意図 人は誰しも、時として許されざる罪を犯し、拭い去ることのできない後悔を抱え、癒やされない悲しみを背負って生きているものだと思います。世界に紛争は絶えることなく、凄惨な事件や事故が無くなることもありません。 そうであるなら我々は、どのようにその罪や後悔と向き合い、どのようにその悲しみや絶望と対峙すればいいのか。そのような問いから、この企画は生まれました。 苦しんで、悲しんで、悔やんで、怨んで、咎めて。それでもなお人は生きていく、生きていかねばならぬ。 そのやるせなさとたくましさは、あたかも自然の四季の巡りのようだと思い至った時、森羅万象とその大いなる輪廻、仏教の世界観とその体現である仏像、その仏像を彫り上げる仏師、その全てが環となって繋がったように思えました。 美しい四季の移ろいが残る飛騨・高山、そして日本の仏教の始まりの地である古都奈良を舞台に、遠藤雄弥さん、土村芳さんが演じて下さる夫婦の物語を描きます。 この世界は楽園ではなく、無慈悲で残酷なものかもしれません。だからこそ、そんな暗闇の中を生きる人々の、小さな希望の灯火となることを願い、人々が持つ祈りの力を信じて、この映画を作りあげたいと思います。 (c)「仏師」製作委員会