<日本S速報>日ハムが一発攻勢で2勝2敗のタイに戻す
日本シリーズの第4戦が26日、札幌ドームで行われ、日ハムが3-1で広島に逆転勝利、シリーズ対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。日ハムは守備の乱れから先取点を失ったが、6回に中田翔(27)が同点アーチ。8回にはブランドン・レアード(29)が勝ち越し2ラン。大谷翔平(22)はノーヒットに終わったが、打つべき人の一発攻勢で接戦をモノにした。 第4戦は信じられないようなミスから始まった。 4回二死一塁からエルドレッドはポーンと打球を打ち上げた。悔しさで舌打ちしてしまうような平凡なセンターへのフライだったが、大きな声を出して横から飛び出してきたライトの近藤が、なんと目測を誤ったのだ。打球は近藤のグラブをあざわらうかのようにポーンとグラウンドで大きくバウンドした。その間に新井が一気にホームイン。エルドレッドは二塁へ進む。記録は近藤のエラー。ここまで日ハムの先発、高梨の前にノーヒットに抑えられていたが、先に「ワンラン」を奪うという珍しい形で広島が先取点を奪った。 打線を入れ替えてきた日ハムは、広島の先発、岡田を二回に一死満塁、三回に二死二、三塁と攻め立てながら、あと1本が出ない。噛み合わないような攻撃を続けていると、こういうミスが生まれるものなのだ。 だが、6回、主砲の一発でゲームの流れが変わった。ドタバタしていた広島の先発、岡田は、4回、5回といずれも三者凡退に抑え、リズムを取り戻したかに見えたが、この回、先頭の中田が、初球のスライダーを捉えた。レフトスタンドへライナーで突き刺さる同点ソロ。「前の打席から、こういう攻めをされていたからね。狙い通りのスライダー」。中田は、自画自賛。「翔が打たなきゃ、しょうがない。信じてる」と、栗山監督が信頼を寄せる4番が、連日の打点で乗ってくるのは、広島からすれば嫌な展開だったのだろう。 僅差の勝負になると、両軍の継投策、ブルペン陣が勝敗の鍵を握る。日ハムは、前日のゲームでストッパー起用した谷元を、この日は8回に持ってきた。先頭の新井を四球で歩かせたが、後続を許さない。広島は代走に赤松を送り二死から仕掛けてきたが、途中出場の市川が刺す。 広島も8回から必勝パターンのジャクソンをマウンドへ送ったが、これが誤算だった。 二死一塁からレアードが、バックスクリーンの左に飛び込む特大の勝ち越し2ラン。レアードのシリーズ2本目のアーチで、3-1とリードを奪うと、9回は宮西がマウンドへ。二死満塁の大ピンチを迎えたが、丸を三振に斬ってゲームセット。シリーズの対戦成績を本拠地で2勝2敗のタイに戻した。 試合後、栗山監督は、恒例の勝利監督インタビューで、「しびれました」と第一声。 9回二死満塁の場面を聞かれ、「ただ、そういう状況の中では、うちのピッチャーのなかで、困れば困るほど、もっとも信頼できる宮西がマウンドにいたので、打ちとってくれると信じていた」と振り返った。 ーー試合を決めたのは、レアードの勝ち越し2ラン。 「試合中、イライラしていた。ベンチから『イライラするな』と声をかけていた。最後、冷静にしっかりとボールをつかまえてくれた。久しぶりに興奮しました」 ーーこれで2勝2敗のタイに。 「1試合、1試合、シーズン中も、選手が強くなっていく、うまくなっていくチームだった。1分でも1秒でも長くシリーズを戦うことができれば必ず前へ進む。最後、がんばっている選手たちを北海道の人たちと一緒に喜ばせてあげたい」 栗山監督らしいコメントで2度目の場内インタビューを締めくくった。