NY外為市場=ドル軟調、雇用統計と米大統領選に注目
[ニューヨーク 30日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、週内に米雇用統計の発表と、来週に米大統領選を控える中、ドルが主要通貨に対し軟調に推移した。 この日発表の経済指標では、10月の全米雇用報告で民間部門雇用者数が23万3000人増加。増加数は予想の11万4000人を上回った。 商務省発表の第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比2.8%増。インフレ低下と力強い賃金上昇が個人消費をけん引し、堅調な成長ペースを維持した。 終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.17%安の104.06。一時は104.43まで上昇していた。 ドル/円はは横ばいの153.42円。ユーロ/ドルは0.36%高の1.0857ドル。 英ポンドはスターマー政権が初めて発表した予算案を受け、一時0.6%下落。終盤の取引では0.34%安の1.2971ドル。 バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「英ポンドを除けば、きょうの動きは11月1日に発表される米雇用統計に向けたポジション調整だった」と指摘。「米雇用統計と大統領選挙が2つの大きな不確定要素となっている」と述べた。 メシロウ・カレンシー・マネジメント(シカゴ)のシニア投資ストラテジスト、ウト・シノハラ氏は「労働市場に関連する経済指標に注目が集まる中、非農業部門の雇用者数が力強く伸びれば、連邦準備理事会(FRB)が12月の会合で金利据え置きを決定する根拠になる」と指摘。米大統領選については、選挙の結果で次期大統領在任中の金利動向に大きな影響が及ぶ可能性があるとしながらも、短期的な影響は雇用と経済成長次第になるとの見方を示した。 大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利するとの観測が一部の予想サイトなどで高まっていることが、このところドル相場のほか、米国債利回りの押し上げ要因になっている。トランプ氏が掲げる関税、移民政策はインフレを刺激するとみられている。 トランプ氏が「米国を仮想通貨の首都にする」と表明していることを背景に、暗号資産(仮想通貨)のビットコインが3月に付けた最高値(7万3803.25ドル)近くまで上昇している。この日は7万1959ドル近辺で取引された。 ドル/円 NY終値 153.41/153.43 始値 152.89 高値 153.49 安値 152.79 ユーロ/ドル NY終値 1.0855/1.0857 始値 1.0833 高値 1.0871 安値 1.0809