プロも病みつき蜘蛛型パター「スパイダー今昔物語」初代はいまいくら?
デイはその後もスパイダーを使い続け、2015年「全米プロゴルフ選手権」で優勝した時は「ゴースト・スパイダー イッチービッチー ブラック プロトタイプ」を使用した。世界ランキング1位になった翌年は赤いスパイダー「ゴースト スパイダー リミテッドレッド」を握って話題になり、2017年に満を持して発売された「スパイダー ツアー レッド スモール スラント」が大ヒットした。イッチービッチーサイズのヘッドとショートスラントネックで、寛容性と操作性のバランスが良い。ネック違いも数多く販売されている。1万円を切る価格で見つかるだろう。
ちなみに色違いの黒モデル「スパイダー ツアー ブラック」は2017年からダスティン・ジョンソンが使用して大活躍した。色だけでなくフェースインサートも違い、ブラックのほうがしっかりした打感に感じる。中古ではREDよりもこちらの方がレアだ。2020年に「スパイダー ツアー ブラック 2020」として復刻されており、こちらは1万円後半が相場。
マキロイも流行を後押し
岩井明愛が2022年9月に変更したパターが「スパイダーX カッパーホワイト スモールスラント」(2019年)。憧れのロリー・マキロイ(北アイルランド)が使っているという理由だ。こちらは1万円台中盤が相場で、カッパーホワイト、ブルー、ホワイトの3色あり、価格はさほど変わらない。 ショートスラントネックは、ネオマレット型に多いフェースバランスにはならず、適度な重心角がついており、ブレード型に近い感覚でストロークできる。スパイダーXにはフェースバランスになるシングルベントやセンターネックなどのバリエーションもあるので、ストロークタイプによって選ぶことができるのもうれしい。 マキロイは様々なパターをテストするが、気がつけばスパイダーXに戻ってしまう。昨年は「スパイダーX ハイドロブラスト」という米国限定モデルも使用。こちらは中古ではまず見かけない。現在は昨秋発売の最新モデル「スパイダーツアーX」(2023年)のショートスラントネックがエースのようだ。古江彩佳は同モデルのシングルベントを使用している。直営店限定モデルなので中古では見かけない。
初代スパイダーは、ミスヒットに強く直進性が良いパターだった。その後、寛容性があるプロ使用パターとして改良され、人気が続いている。ただし、ヘッドはメッキではなく塗装されているモデルがほとんど。塗装が欠けやすく、時間が経つにつれて程度の良い中古がどんどん減るので購入はお早めに。ヘッドカバーで守り、丁寧に扱うことをオススメする。一度、毒牙にかかると、なかなか離れられない“クモの魅力”を中古で味わって欲しい。(文・田島基晴)