「自分らしくいられる音楽」を届ける。上野大樹が語る、その意味とは
「自分らしくいられる音楽」を
上野は自身で掲げている「自分らしくいられる音楽」というテーマへの想いや、今後の目標について語った。 福ノ上:「自分らしくいられる音楽」というテーマを掲げられていますね。こちらはどういうことか、ご紹介いただけますか? 上野:自分自身も「自分が音楽をやっていて自分らしくいられる瞬間」があるんですけど、僕の音楽ってみんなで聴いてワーッと騒ぐような曲はまだ少ないんです。そういう人たちが学校や仕事の帰りに聴いて「あ、私ももっと自分らしくいよう」と思えるきっかけになればいいなと思って。昔から持っている優しい心みたいなものを忘れないようにしてほしいなと思っています。 福ノ上:上野さん自体が、その優しい心がにじみ出ていますもんね。 上野:いや、どうなんだろうな、“ブラック上野”もいますよ(笑)。 福ノ上:隠している最中ですか? 上野:だんだん薄まっている感じです。本当に20代の前半は尖っていました。いろいろな出会いをきっかけにマイルドになって。“マイルド上野”な感じでやっています。 福ノ上:そういう喜怒哀楽があっての人間ですからね。ご自身のなかで思い出となった1曲ってなにかあります? 上野:『新緑』はやっぱりメジャーデビュー曲でもありますし、いままで「自分の曲でなにが一番好きですか?」と言われて「いや、全部好きだしな」と思っていたんです。だけど去年の終わりぐらいから『新緑』が一番好きかもなと思うようになってきました。 福ノ上:夜1人でいるときにちょっとお酒飲みながら、自分の曲で「うわ、これいい曲だな」と思うことはないですか? 上野:あります。 福ノ上:アーティストだから、ありますよね。それがないと、やっていけないですから。 上野:あとは、昔はそんなに思っていなかったのに「このアレンジいいな」みたいな。アレンジャーのちょっとしたスパイスに1年後に気づくみたいな。本当に申し訳ないことをしているときもあります(笑)。 福ノ上:「こんなことをやってみたいな」という構想はありますか? 上野:僕はずっと指引き、アルペジオというスタイルを続けてきたんですけど、最近はジャカジャカも弾きたいし、エレキとかルーパーとか(にもトライしたい)。今年はドラムを習ってみたいなとか。そういう思いが自分のなかでどんどん膨らんでいって、いろいろなことができるようになればいいなと思っています。