吉祥寺の「おかしのいえとパン屋のぱんさん」が3周年 キッチンカーで販売
吉祥寺の自宅の庭にキッチンカーを止め、国産小麦粉ときび砂糖を使った焼き菓子とパンを販売する「おかしのいえとパン屋のぱんさん」(武蔵野市吉祥寺南町4)が12月4日で3周年を迎えた。(吉祥寺経済新聞) 【写真】「おかしのいえとパン屋のぱんさん」が販売するあんパンやクリームパンなど 二葉栄養専門学校で調理と製菓を学んだ店主の大平(おおひら)凜さんは、「勤めていた銀座の焼き菓子店が2020年にコロナ禍で閉店。この時『今こそ、お菓子の力が必要』と菓子作りを実家で始めたのが開業のきっかけ」と振り返る。 「5月ころから軽自動車の荷台を使い、焼き菓子を全て100円で販売した。外出できない人に近場で楽しんでほしいとの思いだけでひっそりと始めたが、行列ができた」という。 その後、店舗営業を目指し、チャレンジショップ「創の実吉祥寺」(吉祥寺南町1)への出店に応募。同年12月4日、1年の期間限定で「おかしのいえと7人のこびとたち」をオープン。2021年、吉祥寺で店舗を探したが、コロナ禍で物件が出なかったため、実家の庭先に仮設テントを設けて販売することを決めた。 パンの販売は、勤めていた店で出会って結婚した夫の大平勇介さんと2022年1月完成のキッチンカーを運営することになったときから。 店名は「駄菓子屋みたいなお菓子屋さんにしたい」と付けた「おかしのいえ」に勇介さんの愛称「ぱんさん」を追加した。 パンは気候に合わせて焼き上がり時間を調整し、ベーカリー「VIRON」のパン職人だった勇介さんが毎日、自宅のキッチンで焼き上げる。「欲しいものはボタン一つで届くが、焼きたては、その場所でしか食べられないことを味わってほしい」と大平さん。 定番のフランスパン(260円)や「おうち食パン」(430円)などのほか、「本日のタルティーヌ」(380円)など日替わり数点も並べる。深谷に住む同級生から借りた畑で収穫した季節の素材を使ったものも販売。 焼き菓子は「お花のクッキー」(3枚入り290円、20枚缶入り1,650円)、「プレーンスコーン」(240円)、カボチャを使ったケーキなど季節限定も用意。 武蔵野市認定「むさしのプレミアム」2024年度新規認定の吉祥寺「平沢製餡(あん)所」のこしあんを使った「武蔵野あんぱん」 (190円)、2023年度認定「吉祥寺スワンクッキー」(310円)も販売する。 「夫のパンと高校の友人など接客スタッフと優しく温かいお客さまのおかげで3年続けられた。今は感謝しかない」と大平さん。「祖母が焼くお菓子のいい香りが焼き菓子作りの原点。焼き菓子はいつもの毎日をときめかせてくれる。これからも皆さまの日常に溶け込む店として、この街に帰って来た子どもたちへ『お帰り』と言える、懐かしくて優しい店でありたい」と話す。 営業時間は7時30分~15時(売り切れ次第終了)。火曜・水曜・木曜定休。
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