リーゼントボクサーのV5をあの消えたお笑いタレントが応援!?
次に、この東洋のベルトの防衛戦が決まったが、決定、中止、決定と、何度もふりまわされる中で必然、心身ともにコンディション調整は難しくなった。2、3週間前までは、大学生相手のスパーリングでも圧倒されるほどの絶不調に陥った。だが、試合まで残り1週間を切って古口会長が、ミットを持ち始めると、それを合図に和氣は蘇ったという。 「さすが世界ランカー。試合が近づくと集中力が蘇った」とは古口会長。右肩上がりに調子を取り戻した和氣は、気力に満ち溢れて7か月ぶりのリングに帰ってきたのだ。 プレッシャーがのしかかる再起戦でインサイドから集中力を高めて決めたカウンターパンチは、和氣の前のめりの気持ちを象徴するようであった。 「今回はゼロからスタートだった。そこから一歩踏み出した。次は世界戦。前向きの気持ちを失わず、そういう気持ちで準備したい」 現在は、スーパーバンタム級でWBAが2位、WBCが3位、IBFが6位という好位置にランクされている。標的は、これも対戦が浮上していたスコット・クイッグ(英国)のWBAタイトルと、一度は“逃げ出した”最強、リゴンドーへの挑戦だ。 和氣陣営は、すでにリゴンドー陣営との太いパイプを作っていて、リゴンドーサイドも「和氣が挑戦するならいつでも受けて立つ」という意向を示している。リゴンドー戦には、莫大な資金がかかるが、そこさえクリアされれば実現可能。いずれにしろ引退危機を乗り越えた和氣は、6月上旬を目安に、何度も苦渋を味わった因縁の大きなステージへと向かおうとしている。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)