ニデックなどシーメンス子会社買収で競う、約4800億円-関係者
(ブルームバーグ): ニデックと米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社のKPSキャピタル・パートナーズは、独シーメンス傘下で大型モーター事業を手掛けるイノモティクスの買収を競っている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。買収額は30億ユーロ(約4800億円)規模になるとみられるという。
関係者らによれば、これらの企業はイノモティクスに対する二次入札を予定している。実現すれば、ニデックにとって過去最大の買収になる。ニデックの永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は1月の決算会見で、大型の合併・買収(M&A)を実施すると述べていた。
報道を受けてニデック株は下落幅を拡大。一時前日比3.2%安の5400円と2023年12月8日以来、約3カ月ぶりの日中安値となった。
精密小型モーターや自動車用モーターなどを手掛けるニデックは、買い手にふさわしいとみられている。ニューヨークを拠点とするKPSは、12年に独ティッセンクルップの子会社だったワウパカ・ファウンドリーを買収し、その後日立金属に売却したことで知られている。両者の他に買収先の候補が残っているかどうかは明らかではない。
検討中の案件であり、実際の取引につながるかどうかは確実ではない。シーメンスとKPSはコメントを控えた。ニデック広報担当者はコメントできないとした。
関係者らによると、船舶や鉱山機械に使用される大型電気モーターを製造するイノモティクスは、年間3億ユーロから4億ユーロのEBITDA(利払い・税・減価償却・償却控除前利益)を生み出している。
シーメンスは昨年、イノモティクスを法的に独立した事業として切り離し、上場か売却を計画していると明らかにしている。関係者らによると、同社の選択肢に関するアドバイザーは米ゴールドマン・サックス・グループと仏BNPパリバが務めている。
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--取材協力:Ryan Gould、古川有希.
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Manuel Baigorri, Eyk Henning, Dinesh Nair