巨人・阿部監督、開幕投手はキャンプで見極め 「なんか伊織がやる気を出しているからね」戸郷と競争促す
巨人・阿部慎之助監督(45)が29日、来季の開幕投手を春季キャンプで見極める方針を示した。山崎伊織投手(26)が21日の契約更改の際に開幕投手に立候補したことを歓迎し、オフの過ごし方までもリサーチして判断材料にする考え。今年大役を務めたエース・戸郷翔征投手(24)との競争を促し、レベルアップを図る。 心意気を買った。来季の開幕投手を目指すと宣言した山崎伊のアピールを、阿部監督は大歓迎した。「なんか伊織がやる気を出しているからね。やらせてもいいかなと思うけど、彼の今年のオフの過ごし方を見て、キャンプの時の姿を見て決めようかなと思う」と話し、大役の挑戦権を与えた。 就任直後だった昨オフは、早々に決めた。ちょうど1年前、11月30日のイベントにゲスト出演した際に「誰もが認めるリーダーですから。開幕投げてもらいます」と戸郷を開幕投手にサプライズ指名。絶対的なエースとしてチームをけん引してほしいという思いから異例の早さでの公表となった。就任2年目は違った形でチームを刺激する。 3年連続で12勝を挙げ、3億円プレーヤーとなった戸郷が筆頭候補となるのは自然な流れ。そこに、2年連続で10勝を挙げた山崎伊が、21日の契約更改後の会見で挑戦状をたたきつけた。「自分的には開幕投手をやりたい。全員が全員、戸郷だと思っていると思います。監督、コーチたちに迷っていただけるぐらいまでやらないといけない」。宣戦布告された戸郷も「伊織さんはいいライバル。しっかり技術を高めていかないといけない。今年初めてやって、あの感動というのは忘れられないですし、来年もやりたい」と2年連続の開幕マウンドに闘志を燃やした。 この相乗効果こそ、指揮官の狙いだ。今季15勝(3敗)を挙げて最多勝とMVPを獲得した菅野が、メジャー挑戦を表明。来季はその15勝分を埋めるために、山崎伊にも、戸郷にも、もう一段階成長してもらわないといけない。今オフから2人の競争意識を高めることで、春季キャンプではハイレベルな“一騎打ち”が繰り広げられることになる。 開幕戦は来年3月28日のヤクルト戦(東京D)。リーグ連覇、日本一奪回ロードは、2人のバトルから幕を開ける。(井上 信太郎) ◆過去5年のG開幕投手公表 ▽20年・菅野智之 19年11月28日の契約更改の席で自ら「開幕も言われているので」と明かす。 ▽21年・菅野智之 春季キャンプ後の3月1日に原監督が明言。キャンプ最終日の2月28日に「智之、開幕行くよ」と通達した。 ▽22年・菅野智之 3月1日、東京Dの新調された大型ビジョンお披露目イベントで公表。 ▽23年・ビーディ 菅野が開幕直前の3月18日の日本ハム戦で右肘の張りを訴え降板。同27日の「読売巨人軍激励会」で原監督がビーディを指名した。1年目の外国人では初。 ▽24年・戸郷翔征 23年11月30日のイベントで阿部監督が公表。
報知新聞社