エシカル消費でスイーツ開発 枇杷倶楽部でテスト販売 南房総(千葉県)
南房総市内の道の駅を管理運営している「ちば南房総」は、地域の農産物の規格外品など未活用品を使った商品開発として、道の駅とみうら枇杷倶楽部で「嶺岡プリン」と「フルーツ焼きこみタルト」の2つのスイーツのテスト販売を開始した。好評なら今後、市内道の駅で拡大販売していくという。 道の駅運営のノウハウを生かした地域課題解決に取り組み、エシカル消費を地域に浸透させる活動を行っている同社。新しい付加価値商品の消費拡大と、生産者の生産物の販路拡大で、地域経済の活性化を図り、環境に配慮した商品開発に取り組んでいる。 今回はこの一環で、生クリームを中心に家庭用・業務用乳製品の製造販売を行っている老舗メーカー「中沢乳業」の協力で、同メーカー所属シェフパティシエ監修のもと、スイーツを開発した。 嶺岡プリンは、地元の牛乳をベースにプレーン、房州びわジュレ、夏ミカンジュレ(12日から販売)、コーヒーの4種類。地元特産の房州びわのピューレを使うなど、地元素材にこだわった、なめらかな食感のプリンだという。日本酪農発祥の地のイメージをモチーフに「嶺岡」と名付けた。 フルーツ焼きこみタルトは、房州びわや富浦産レモン、バナナの3種。それぞれをタルトと焼き上げることで、サクサクとした食感とフルーツのおいしさを引き出した「南房総ならではのタルト」に仕上げたという。 プリンはプレーンとコーヒーが380円、房州びわと夏ミカンが420円。タルトは房州びわが480円、レモンとバナナが300円。いずれも税込み。 今後は、テスト販売の売れ行きや消費者の評価を参考に、改良を加えていきながら、令和7年度に開業する総合加工場での生産も視野に、売れる商品に育てていきたいとしている。 同市観光プロモーション課では「エシカルには食品ロスを解消するという目的もあるので、今後も地物の農作物を活用した商品開発に力を注ぎたい」と話している。