フィリピンにアメリカ配備の中距離ミサイル、合同演習後も撤去せず…本土が射程に入る中国反発
INFが2019年に失効したことを受けて米軍は中距離ミサイルの開発を進めており、1000発超の中距離ミサイルを保有する中国との「ミサイルギャップ」を埋めるため、日本列島からフィリピンにつながる「第1列島線」上への配備の可能性を探っている。
ただ、中距離ミサイル能力を含む「反撃能力」の独自保有を進める日本との協議は進んでおらず、配備の見通しは立っていない。米軍の中距離ミサイルがフィリピンに長期配備できるようになれば、米国にとっての利点は大きい。
米国防総省の報道担当者は読売新聞の取材にフィリピンでのミサイル配備の動きについて、「部隊の即応性と地域の安全保障に貢献している」と強調した。
南シナ海で中国の挑発行為に悩まされる比側も、ミサイルシステム配備継続を望んでいる。地元メディアによると、比軍トップのロメオ・ブラウナー参謀総長は、米側に配備を続けるよう求めたと明らかにした。エドゥアルド・アニョ国家安全保障担当顧問は、「将来的にこのような装備を調達したい。そのために操作法を習得する必要がある」と強調した。