「日本一を取るためだけに僕らはここに来た」福岡大大濠の日本代表・渡邉伶音がチーム最多得点 夏の王者圧倒し2年連続決勝進出【ウインターカップ】
◆バスケットボール・全国高校選手権ウインターカップ男子 福岡大大濠84―58東山(28日、東京体育館) ■福岡大大濠と鳥取城北、決勝までの足跡 誰よりも強い思いがそうさせる。福岡大大濠の大黒柱で、日本代表にも招集された渡邉伶音(3年)の語気が思わず強まった。「日本一を取るためだけに僕らはここに来た。決勝まできましたが、本当の勝負が始まるという気持ち」と拳を握った。 準決勝で今夏の全国総体覇者の東山に完勝だ。相手エースの瀬川琉久(同)も完璧に封じ込めた。髙田将吾(同)や見竹怜(同)らがマンマークについて、スイッチで離されると、渡邉が懸命に張り付き仕事をさせなかった。長く力を入れた守備が勝因だった。 渡邉は「この1年間のことを思い出したら絶対に守れるという自信があった」とうなずく。ファウルがかさみ途中でコートを離れる時間こそあったが、攻撃面でも2本の3点シュートを含むチーム最多18得点。攻守で躍動して勝利に貢献した。 1年前の決勝は福岡第一に敗れた。ベンチでは片峯聡太監督に電光掲示板を指さされながら、悔しさを忘れずに翌年に奮起するよう促されうなずいた。渡邉は「日本一のために、1年間いろんなこと乗り越えてきた」と約束のコートに戻ってきた。 3大会前の福岡大大濠の優勝。中学生の渡辺も目の当たりにし憧れを強めた。今度は後輩に自身が背中を見せる番。「自分もそんな姿を見て大濠に入学した。もっと引き継いでいきたい」。最強を示す冬の杯を掲げてみせる。(山田孝人) ▼福岡大大濠が2大会連続決勝へ インターハイ王者に圧倒▼