「島護」の使命を完遂 駐屯地の中村新司令着任
陸上自衛隊石垣駐屯地の新司令(八重山警備隊長)として2日、中村康男1等陸佐(44)が着任した。着任式で中村司令は「常に地域とともに存在し、愛される石垣駐屯地を目指し、先頭に立って全身全霊で責務の完遂に邁進する」と決意を表明した。 着任式には、八重山警備隊隊員ら225人が参加。石垣市の中山義隆市長(代理・棚原長武総務部長)、竹富町の山城秀史副町長、八重山防衛協会の米盛博明会長らが出席。第15旅団の上野和士旅団長が中村司令を紹介した。 中村司令は「着任の辞」で「石垣駐屯地は南西防衛の最前線に位置している」と指摘。大規模地震など自然災害の可能性にも触れ「当初の初動は我々しかいない。存在意義は極めて大きい。危機意識を持って備え、いついかなる事態にも即応し、最後まで任務を遂行し、島護(しまもり)部隊としての使命を完遂しなければならない」と強調した。 統率方針として「島護としての使命の必遂」を上げ「八重山を護る抑止力の要の役割を果たす気概と強固な意志を持ち、島守部隊の一員である自覚と誇りを堅持してほしい」と述べ「チーム八重山」の自覚を持つよう呼び掛けた。 「常に地域と共に存在し、愛される石垣駐屯地」を目指す考えを示し「すべての行動において、国民の理解と協力、地域社会からの支援なくしては我々の任務遂行は決してできない」と述べた。 中山市長の祝辞を代読した棚原総務部長は「(石垣駐屯地は)有事や災害時における救助活動、避難者や物資の輸送など、八重山住民の安全と平和を守るために欠かせない存在。中村司令の豊富な経験と卓越したリーダーシップで、今後さらに地域の安全が一層強化されることを期待する」と述べた。 井上雄一朗前司令は2日付で陸幕防衛部防衛調整官に転任した。 中村司令は1979年10月14日生まれ。兵庫県宝塚市出身。防衛大学校国際関係学科卒。前職は北部方面総監部防衛部防衛課長(札幌)。石垣には単身赴任。自宅は東京で、家族は妻と2男。