時速194キロの衝突事故はどうなるか 遺族「シートベルトちぎれ車外に…弟は命をかけて証明」 公判で胸の内明かす
その後、大分地検は再度、現場などを調べた結果、2022年12月に起訴内容を「危険運転致死罪」に変更する異例の決定を出しました。 「過失運転致死で最初に起訴されたときに、194キロという時速を初めて聞きました。こんな速度で過失運転致死ということに驚きました。とても許せない気持ちになりました。警察や検察に『いろんな検証をしたのか?』と問いかけたら、検証をしていなかったように思えたので、机上の空論ではなく、危険性を立証すべきと訴えてきました」 被告の弁護人を通じて謝罪の申し入れがありましたが、長さんはその謝罪を受け入れていません。 「若いからスピードを出していいわけがなく、理解のできないスピードで弟が殺された事故と思います。許す気持ちは全くない。謝罪を受け入れる気持ちもない」 ■「194キロの事故…弟が命をかけて証明」 事故から3年9か月経って始まった裁判員裁判。最大の争点は、危険運転致死罪が成立するかどうかです。これまでの公判で検察は走行実験の結果をもとに危険運転を立証。国内最高峰のレースへの出場経験があるプロドライバーや人間の視覚を研究する准教授が出廷し、意見を述べました。 「車や天候など、交通事故を全く同じ条件で再現できるわけがない。しかし、同じ条件で唯一できた人物が2人います。1人目は加害者。『記憶がない』と言っていましたが、弟が痛みを受けた時のハンドルの手ごたえは覚えてほしかったです」 「もう1人は弟。命をかけて194キロがどのように体にもたらすか…シートベルトがちぎれて、車外まで飛ぶことを証明した。194キロの実験をしてくれたと思います。このことを証拠として見てもらいたい。生身の体でこの世に残してくれたものです」 「被告に対し、人生全て刑務所に入ってほしいという思いは残念ながらかなわないので、危険運転の20年を望みます」
大分放送