2013年世界を揺さぶった5大ニュース
第3位 イラン核協議で合意
11月24日、核開発をめぐるイランと関係6ヵ国(米英仏独中ロ)の協議で、イランが半年間ウラン濃縮を停止するのと引き換えに、同国に対する経済制裁がやはり半年間停止されることが合意されました。 イラン政府は「核の平和利用」を主張してウラン濃縮を進める一方、弾道ミサイルも開発。同国を「テロ支援国家」と位置付ける米国の主導のもと、2012年以降、多くの国が参加する経済制裁が敷かれ、ペルシャ湾一帯の軍事的な緊張が高まったのです。 経済制裁はイランの物価高騰も招き、これを背景に2013年6月のイラン大統領選挙で、核開発を主導する保守強硬派の候補が相次いで敗れ、欧米諸国との関係改善を模索する保守穏健派のローハニ氏が当選。これをきっかけに、関係国間での協議が本格化したのです。今回の合意は恒久的なものではありませんが、1979年のイスラム革命から途絶えていた米国との関係に、一つの変化が生まれたことは確かといえるでしょう。
第4位 ボストンマラソン爆破テロ事件
4月15日、米国ボストンで開催されたマラソン大会で連続爆破テロ事件が発生し、3人が死亡、280人以上が負傷しました。米国の文化的な一つの中心地で発生したテロは、米国以外の国にも衝撃を与え、各国のイベント会場で警戒を強化させることになりました。 FBIの調査により、イスラム過激派とロシア軍の戦闘が激しくなったチェチェンから2002年頃に難民として米国に入国し、それ以来定住していたツァルナエフ兄弟が犯人と判明。兄タメルランはボクシングで五輪の米国代表を目指した経歴をもち、弟ジョハルは大学生と、いずれも米国社会の一員でした。 4月19日、タメルランは警察との銃撃戦で死亡。同日、ジョハルは逮捕され、7月には裁判が始まりました。兄弟が特定のテロ組織と関係していた情報はありませんが、この事件は長年住み続けた国に敵意を抱き、破壊活動を行う「ホームグロウン・テロ」の脅威を印象付けました。