競泳・松下知之 18歳の萩野2世が初出場銀メダル!16年リオ見て五輪目指し、全てをマネた“萩野マニア”
「パリ五輪・競泳男子400m個人メドレー・決勝」(28日、ラデファンス・アリーナ) 【写真】夢中で泳ぎました!瀬戸大也と熱く水中抱擁 男子400メートル個人メドレーは初出場の18歳、松下知之(東洋大)が4分8秒62で銀メダルに輝いた。2大会ぶりの表彰台を狙った瀬戸大也(CHARIS)は4分11秒78で7位。世界記録保持者のマルシャン(フランス)が4分2秒95で優勝した。女子100メートルバタフライで平井瑞希(アリーナつきみ野SC)は57秒19で7位。男子200メートル自由形の準決勝で松元克央(ミツウロコ)が1分45秒88の全体8位で決勝へ。女子400メートル個人メドレー予選で成田実生(ルネサンス金町)は4分37秒84の全体5位で決勝へ進んだ。 萩野に恋い焦がれた18歳の新星が、競泳ニッポンの先陣を切った。今春に大学生になったばかりの松下が、五輪初出場で銀メダルを獲得。電光掲示板を見つめると、天を仰いで3度小さく左拳を振った。「本当に…はい。すごくうれしいです」。言葉に表現できないほどの歓喜に浸った。 狙い通りの大逆転レースだった。前半200メートルまでは我慢。7番手で折り返し、ぐっと力をためた。第3泳法の平泳ぎから力を開放する。じわじわと5位まで追い上げると隣のレーンで泳ぐ瀬戸を捉え、得意の自由形から猛スパート。競泳で最も過酷と言われる400メートル個人メドレーの最終盤で驚異の体力を見せ、最後は横並びの2位争いを制した。 16年リオ五輪400メートル個人メドレーを制した萩野公介さんのレースを見て、五輪を志した。同じ栃木県出身で、大会で会うたびにもらったサインは数知れない。同じモデルのゴーグルは全て購入し、レース日の朝に熱いシャワーを浴びると知ればマネをする。水泳専門誌に特集が載れば、風呂に持ち込んで熟読した。 今春から東洋大に進学し、萩野さんら五輪メダリストを04年北京五輪から輩出し続けている平井伯昌氏の指導を受ける。同氏が「萩野と瀬戸を足して2で割った感じ」と表現した逸材は、レース後「この雰囲気を楽しむだけだと思っていた。雰囲気に身をゆだねて夢中になって泳いだ。最高の思い出」と語りメンタルの強さも計り知れない。 萩野さんは18歳の誕生日目前の12年ロンドン五輪で銅メダルを獲得し、次のリオ五輪で頂点に立った。くしくも松下も同じ道を歩み始めている。花の都で日の丸を背負う次世代エース、そして“萩野2世”が誕生した。