灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の連続」
真夏に空冷エンジンって大丈夫なの?
二十四節気の立秋を過ぎ、お盆休みも終わり、あっという間に8月も後半戦。いつの間にか、夜になると虫の鳴き声が聞こえるようになってきた。少しずつ、確実に季節が進んでいるとはいえ、連日にわたる猛暑にそろそろバテ気味……という方も多いのだろうか。 【画像】空冷エンジンが消えたのには理由があった 筆者の1970年製の空冷エンジン車も、毎日暑いから……と理由をつけて乗らなければバッテリーが上がってしまうし、乗れば乗ったで倒れそうになるし(クーラーが装備されていないので)……。 そんななか、編集担当の方から「こんな時期に空冷エンジンの旧車って乗っても大丈夫なんですか? というテーマで原稿を書いてほしい」との依頼があった。結論からいうと「乗らないのがいちばん」だが、それでは記事として成立しなくなる。空冷エンジンを搭載するいち旧車オーナーとして、実際どうなのかをまとめてみた。
猛暑の時期はとにかく油温が心配
エンジンを空気で冷却させる「空冷式」であるがゆえに、外気温が高いとエンジンが温まりやすい反面、「温まりすぎる(熱くなる)」ことも容易に想像できる。最悪の場合はオーバーヒートだ。筆者自身、この時期は油温計ばかり気にしている。油温計の針がグングンと上昇していく恐怖たるや……。
なんとしても渋滞を避ける
夏場に空冷エンジン車に乗るうえでもっとも避けたい状況、それは「渋滞」だ。ただでさえ暑いのに、少しでも、渋滞すると涼しい風が当たらなくなるわけだ。結果として、みるみるうちに油温が上昇する。こんなとき、猛暑日の渋滞のなかでもオーバーヒートの兆候すら見せない現代のクルマって機械として本当に優秀なんだなと痛感できる。
1段上のギヤで走る
順調に走行していても油断(?)はできない。信号スタートなどの加速時は仕方ないとして、できるだけ高いギヤを使って巡航モードで走行し、エンジンの回転数および発熱を抑える。この時期は高回転までエンジンをまわす回数を抑え、どちらかというと淡々と、定期的にエンジンオイルを攪拌(かくはん)させるイメージで乗っている。