「文楽デー」開催 400人が文楽の技と芸を体験/大阪・国立文楽劇場
ユネスコの世界無形遺産である「人形浄瑠璃文楽」を気軽に楽しんでもらおうと大阪市が主催した「文楽デー」が8日、大阪国立文楽劇場(大阪市中央区日本橋)で行われ、午前の部、午後の部ともに、多くの文楽ファンでにぎわった。 技芸員による解説入りで「団子売」(だんごうり)と「卅三間堂棟由来」(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)の2演目を鑑賞した後、親子連れや外国からのファンなど約400人が技芸員の指導を受けながら、「三業」(大夫・三味線・人形遣い)を体験。技芸員と笑顔で記念撮影する姿も。 舞台上での「人形遣い体験」では、昨年、文楽を初めて見て大ファンになったという大阪市の8歳の男の子が重さ5、6キロはあるという「一谷嫩軍記」(いちのたにふたばぐんき)の主人公、熊谷直実の人形遣いに挑戦。「すごい重かった。でも、面白かった。三味線も好きだから、やってみたい」とにっこり。 普段、文楽の舞台に立てるのは男性のみだが、この日は女性も人形遣いに。女性の体験者は「こんな重い人形を舞台の間ずっと持っていらっしゃるなんて、人形遣いさんはすごい。実際に持ってみて、みなさんのたいへんさがよくわかりました」と感心した様子で話していた。
6月の「文楽鑑賞教室」は、19日まで大阪・国立文楽劇場で行われる。鑑賞教室は、若い世代が気軽に楽しめるよう、学生には低料金で設定。9日・18日には、普段あまり文楽を観る機会のない社会人が来場しやすいように、午後6時半開演で、文楽の解説と「卅三間堂棟由来」が鑑賞できる「社会人のための文楽入門」も催される。 また、7月19日からは、親子で文楽を楽しんでもらいたいと、夏休みの文楽特別公演「親子劇場」として、「かみなり太鼓」、解説「ぶんらくってなあに」、「西遊記」を上演する。 チケットの問い合わせは国立劇場チケットセンター(0570・07・9900または03・3230・3000)、国立文楽劇場の公式サイトまで。