成田山新勝寺で大しめ縄作り 初詣客を出迎える準備、わら2500束編み込む
成田市の成田山新勝寺で、正月の大本堂前に飾られる大しめ縄作りが佳境に入っている。1日、新勝寺の工務員と奉仕員の計10人が2500束にもなる大量わらを編み込み、稲穂をつるしたように見える成田山特有の「照範じめ」の形に整えた。 地元農家からわら約6000束を調達し、厳選した約2500束を重さ200キロ、横6・6メートル、縦1・2メートルの大しめ縄に仕上げる。わらの青みを表面に見せて映えるように編み、大きいわらの束33本を横一列につなげる。25日に境内に設置され、初詣客を出迎える。残ったわらはお堂や神棚に飾る最大15メートルの細いしめ縄に編んでいく。 この日は、境内にある工務所で、工務員2人が木の棒にわらの束を力強くくくりつけ大しめ縄の形に整えた。近所に住む奉仕員8人は細いしめ縄を丁寧に編んだ。
昨年で40年以上大しめ縄作りを務めたベテランが引退したため、工務係の大野清明さん(55)が作業を取りまとめ、「いかに形を上手く整えてきれいに見せるか考えた。皆さんに大しめ縄の下くぐり、幸せを感じてもらえたら」と話した。 成田山の大しめ縄は、江戸時代の元禄年間に中興第一世・照範上人が五穀豊穣(ほうじょう)を祈願して作ったのが始まりとされている。