阪神の球団初の連覇の可能性は? 赤星憲広が「アレンパ」のキーマンとして挙げたふたりの選手
昨シーズンは独走で18年ぶりのペナントレースを制した阪神だが、今季のセ・リーグは大混戦だ。9月5日現在(以下同)、阪神は首位・巨人と3ゲーム差の3位。はたして、球団初の連覇は達成できるのか? 阪神OBで"岡田野球"を知る解説者の赤星憲広氏にうかがった。 【写真】阪神タイガース「TigersGirls」2024年全メンバー(17人)甲子園球場で撮り下ろし! 【岡田監督ほど野球を知っている人はいない】 ── 赤星さんは現役時代、野村克也監督、星野仙一監督、岡田彰布監督といった名将のもとでプレーされました。3監督の野球の相違点を教えてください。 赤星 野村監督とは1年間でしたが、野球を教え込まれました。いわゆる"ID野球"です。野村監督時代の阪神は3年連続最下位でしたが、「データを重視、活用する野球」以上に、野村監督の勝利への執念は強烈なものがありました。全力疾走しない選手は絶対に起用しないなど、そうした姿勢を学びました。 ── 星野監督はいかがでしたか。 赤星 "闘将"の名のとおり、戦う姿勢を前面に押し出す監督でした。勝てない時代の"ぬるま湯"体質を払拭すべく、厳しさがあり、また金本知憲さん、下柳剛さん、伊良部秀輝さんたちを補強。"血の入れ替え"を断行して、2003年に18年ぶりの優勝につなげました。 ただ、星野監督は厳しいだけではなく、選手個々の状態、性格や人間性をよく見てくれていて、それを采配につなげていました。チームは家族であり、星野監督は父親のような存在でした。そのあたり、野村監督にしても星野監督にしても、ファンの方が抱いているイメージとは異なるのではないでしょうか。 ── 岡田監督について赤星さんは、2005年は選手として優勝を経験し、昨年は評論家として阪神の日本一を見ています。昨年は、前年いずれも0勝の村上頌樹や大竹耕太郎を抜擢して、計22勝を上積みしました。 赤星 野村監督もそうでしたが、岡田監督ほど野球を知っている人はいないと思います。村上や大竹の抜擢は、「投球を受けているヤツが一番わかるやろ」と、捕手の梅野隆太郎や坂本誠志郎らの進言を採り入れたそうです。そういう柔軟な姿勢もあります。