ノーベル賞「化学賞」2015年の受賞は? 日本科学未来館が予想
では、フォダー氏とブラウン氏は何をしたのか。DNAマイクロアレイではチップ上に規則正しく遺伝子を並べる必要があります。フォダー氏は、半導体の製造で使われていた技術を応用して、高密度DNAマイクロアレイの大量生産を可能にしました。商品として製造販売されるようになり、世界中の研究室が使えるようになりました。 フォダー氏が普及させた高密度DNAマイクロアレイは誰でも購入できますが、いわば量産品の服のようなものです。研究によっては、カスタマイズしたDNAマイクロアレイが必要になることもあります。いわばテーラーメードの服です。そこで、ブラウン氏は自作のロボットアームを使い、自分の研究に合ったDNAマイクロアレイを作る方法を開発し、さらにはその方法をインターネット上で公開しました。これによって、多くの研究者たちが自作のDNAマイクロアレイを作れるようになったのです。 ◎予想=科学コミュニケーター・伊藤健太郎
ノーベル化学賞の発表は10月7日夕方
ノーベル化学賞は10月7日(水)の18時45分(日本時間)から発表されます。今回紹介した3つの研究については、日本科学未来館の「科学コミュニケーターブログ」でより詳しく解説しています。予想が当たっても当たらなくても、これを機会にご紹介した研究・研究者にも興味を持っていただけたらと思います。
◎日本科学未来館 科学コミュニケーター 松浦麻子(まつうら・あさこ) 1982年、愛知県生まれ。東京大学大学院新領域創成科学研究科を修了後、シンクタンクにてエネルギー・原子力安全関連業務に従事。2013年より現職。