山口仁也VS重里侃太朗は終始打ち合う好試合の末に引き分け 山口が優勢点で日本王者への挑戦権を獲得
プロボクシングの日本スーパーフライ級最強挑戦者決定戦8回戦が31日、東京・後楽園ホールで行われた。同級2位の山口仁也(24)=三迫=が、同級1位の重里侃太朗(28)=志成=と1-1の8回判定引き分け。山口が優勢点で日本王者への挑戦権を獲得した。 前日本ユース同級王者の山口は1回から打ち合いを挑み、重里も応じる。4回にカウンターの左ストレートを被弾して効かされたが、何とかしのぎ、左ストレートや右フックで反撃。最終8回まで終始打ち合う好試合の末、痛み分けに終わった。山口は「結果がドローという形なんで、納得がいかない。もっとできることがあったと反省点ばかり」と悔しがった。重里については「もっと潰せるかと思っていたが、打ち合いも強かった」とたたえた。 それでも優勢点で来春の日本王者が指名試合を闘うチャンピオンカーニバルへの出場権を獲得。日本王者の高山涼深(28)=ワタナベ=が、11月12日に後楽園ホールで、同級12位の青山功(35)=セレス=と3度目の防衛戦を闘うため、その勝者への挑戦が濃厚だ。山口は「次は勝ちという形でチャンピオンになれるように練習していく」と日本王座初挑戦に向けて、さらなる成長を誓った。 一方の重里は「あと一歩届けへんな。まだ神様は試練を与えてくるのかな」と涙ぐんだ。同じ大阪・興国高出身で、幼少期から兄貴分と慕う元世界4階級制覇王者の井岡一翔(35)=志成=は、試合中はリングサイドから「男を見せるとこやぞ」などとげきを飛ばし、試合後には「良い試合やった」と励ました。重里は「負けていないので、やり返す」と最後には前を向いた。 興行はインターネットテレビのABEMAで午後6時から無料生配信された。プロ戦績は山口が6戦5勝(2KO)1分け、重里が9戦7勝(2KO)2分け、高山が8戦8勝(7KO)、青山が27戦14勝(4KO)12敗1分け。(尾﨑陽介)