秩父「やきとん しん」が開店半年 移住先の秩父でホルモン串焼きなど提供
秩父駅から徒歩約2分の場所にある「やきとん しん」(秩父市宮側町)がオープンして、10月29日で半年がたった。店内はカウンター12席とテーブル席8席で、山口真さんと妻の智子さんが切り盛りしている。(秩父経済新聞) 【写真】カウンター12席 豚、鶏、野菜の串焼きを中心に提供し、串焼きの価格帯は130円~250円。メニューは、豚の「ればー」「かしら」(以上130円)や「とんてき」「上たん」(以上200円)、鶏の「もも」(150円)、「つくね」(200円)、野菜串の「長ねぎ」(150円)、「レタス肉巻き」(220円)、「新生姜(しょうが)肉巻き」(250円)など。他に、「ナムル」(300円)、「もつ煮込み」(400円)、「鶏の唐揚げ」(500円)なども用意。50品以上をそろえ、期間限定メニューも用意する。 真さんは「個人的には安くて気軽に立ち寄れる店が好き。『仕事帰りにちょっと飲みに行こう』と頻繁に通える店にしたかった」と話す。できる限り家族で営業し、串打ちなどの仕込みを全て自分たちで行うことで、「食材の選定や仕入れにも工夫を重ねて低価格を実現している」という。 真さんは以前、営業や運送の仕事に従事していた。「年を追うごとに、居酒屋という昔からの夢が心の中で大きくなっていった。子どもたちにも、『大人は楽しそう』と思ってもらえるような生き方がしたい。35歳の時に『何かをやり遂げたい。今が最後の転職のチャンスでは』と妻に相談して飲食業に転換した」、智子さんは「以前から夫が居酒屋をやりたいと話していたため、転職に賛成した」と、それぞれ振り返る。 その後は都内のやきとん店で8年間勤務。自分の店を持つことを目標に修業に励んだ。一方で「自然豊かなところで、その土地に愛着を持って暮らしたい」との思いから、2022年夏頃から家族7人で住めるところを探し、秩父市の「お試し住宅」を活用して検討し、川口から秩父への移住を決めた。縁あって広い物件が見つかったことから、群馬にいた智子さんの両親も呼び寄せ、2023年3月から、家族9人で、秩父で暮らすことになった。 真さんは「秩父に慣れるためにも、秩父の店や会社で働くことも考えたが、とにかく挑戦してみようと思い、店を始めることにした。店を持つのは初めてのことなので、創業塾に参加したり、商工会や移住センターなど、いろいろな人に相談したりした。物件、肉や酒や飲料の仕入れ先、店の施工業者のことなど、人につないでもらった縁が多く、たくさん助けてもらった」と話す。 バーベキュー代わりに週末にやきとんを焼いて試食会をしながらメニュー作りを行った。試食は家族だけでなく、近所の人にも意見を聞いて試作を重ね、4月29日に同店を開いた。ゴールデンウイークより前に開店したかったことに加え、29日は「にく(肉)の日」であり、四女の誕生日だったことから、この日に決めたという。 「秩父には七輪で焼くホルモン文化がある中で、串焼きのスタイルが受け入れてもらえるかと不安だった。予想よりも秩父の人たちから受け入れてもらえていると思う。ここで店を開いて良かった」と真さんは話す。 メニューについて、「レバーがお薦め。網脂を巻いた『あみればー』も食べてほしい。網脂を巻いて焼き上げることで中がしっとり蒸し焼きになり、脂は焼くことでパツンとした食感が楽しめる」と真さん。「仕入れた料理は出していないので、一品料理ももちろん手作り。妻が手作りしたポテトサラダ(350円)もお薦め」とも。智子さんは「つくねもお薦め。はらみもあごも、おいしいと思うのでいろいろ食べてみてほしい」と話す。 営業時間は16時~23時。月曜、第3日曜定休。
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