もう一つのGPファイナルに挑む10代の4人。ポスト羽生、真央が飛び出すか?
ジュニアのGPファイナルが、シニアのGPファイナルとの同時開催で、明日10日からスペイン・バルセロナで開幕する。全7戦あったジュニアのGPシリーズのポイント獲得上位6人が出場権を得るもので、日本からは、男子シングルに山本草太(15歳、愛知みずほ大瑞穂高)、女子シングルに白岩優奈(14歳、京都醍醐FSC)、本田真凛(14歳、関大中)、三原舞依(16歳、神戸ポーアイFSC)の3人が挑む。 過去に羽生結弦や浅田真央ら、その後、シニアでスターダムに上り詰めていく選手が優勝を飾ってステップとした大会。来春の世界ジュニアに次ぐ大会の位置づけとなっている。 つまり、将来のポスト羽生、ポスト真央が飛び出してくるリンクなのだ。 山本は、優勝候補の一人。昨季の大会では、SPでトップに立ちながらFSで宇野昌磨に逆転を許して2位に泣いたが、今季はポーランド大会で優勝、宇野がシニア転向していなくなった国内では負け無しで、11月の全日本ジュニアも制している。身長が167cmで、手足の長さを生かしたスタイリッシュな演技が売り。フリーでは、4回転2つ、トリプルアクセル2つを組み入れる高難度なプログラムに挑戦しており、全日本ジュニアでは、4回転トゥループ+3回転トゥループの連続ジャンプの着氷に成功した。 だが、本人の志は高く、「この4つのジャンプを成功させることを最大の課題に取り組んできたが、当たり前のように決めないと世界のトップには立てないと思う」と言う。名古屋を拠点に荒川静香、鈴木明子らを育てた長久保裕コーチに師事している。関係者の間では「F1並みのスピード感がある」と評判。宇野が、どちらかと言えば引退したバンクーバー五輪銅メダリスト、高橋大輔の後継者のイメージなら、ポスト羽生のスケーティングスタイルは山本の方なのかもしれない。 今大会でのライバルは、アメリカ大会で大差をつけられたネイサン・チェン(16歳、アメリカ)。4つのジャンプをノーミスでクリアできるかどうか優勝の分かれ目になりそう。