もう一つのGPファイナルに挑む10代の4人。ポスト羽生、真央が飛び出すか?
一方、国内に高レベルの選手が揃い競争の激しいで女子は、ジュニアのGPファイナルに3人を送り出すことになった。筆頭は、アメリカ大会、スペイン大会で2勝した白岩。安定感抜群のジャンプが武器で、シニアでも、女子のトップスケーターの条件となっている3回転+3回転の連続ジャンプを高い確率で成功させ、先の全日本ジュニアのフリーでは、3回転ルッツ+3回転トゥループ、3回転サルコウ+3回転ループという2つの連続ジャンプを綺麗に決めてみせた。シニアクラスで通用するジャンプという武器だけでなく、「今季、強化しているのは表現力です」と、自ら課題を考え取り組んでいる。 この白岩と共に「ミスをしない」精密な演技が長所なのが、顔立ちが真央に似ているため、“真央2世”と呼ばれることの多い三原だ。3回転ジャンプの質も高いが、何しろエッジに深く乗っていく伸びやかなスケーティング技術の高さが際立っている。2位に入ったスロバキア大会では、すべてのステップ&スピンでレベル4を獲得した。安定感があり8月のアジアフィギュア杯でシニアクラスに出場して優勝している。 4姉妹の妹・望結が人気の子役タレントとして活躍中の本田は、大人びた表現力が魅力。5種類の3回転ジャンプを操り、3回転+3回転も跳ぶが、しなやかな演技で観客を引き込み、クロアチア大会で優勝を手にした。「家族のサポートが試合での力になる」と言う。 日本が誇る3人に、大会5連覇中のロシア勢が立ち塞がる。ロシアも、ポリーナ・ツルスカヤ(14歳)、マリア・ソツコワ(15歳)、アリサ・フェディチキナ(13歳)の3人がファイナル出場権をゲットして、女子は日本vsロシアとなった。ツルスカヤとソツコワは、それぞれシリーズで2勝、ソツコワは2年前に13歳で今この大会を制した覇者だ。 フィギュア関係者の一人は、「確かにロシアはジュニアと思えないほど完成度は高いが、日本の3人はいずれも成長を続けているので、失敗がなければ十分に通用する」と言う。 女子では、2009年の村上佳菜子以来、栄冠を手にした選手はいないが、ロシア勢を蹴散らして頂点に立った選手は、自信と共に一躍、“ポスト真央”の最右翼として浮上することになるだろう。