【毎日書評】クライアント都合でスケジュールが遅れた!締切に間に合わない…どうするのが正解?
クリエイターといっても多種多様ですが、なにを専門にしているとしても、大小さまざまなトラブルはつきもの。とはいえ、“もしものとき”の対処法を身につけておくことは決して容易ではありません。 だから困ってしまうわけですが、そこで参考にしたいのが『クリエイター六法 受注から制作、納品までに潜むトラブル対策55』(宇根駿人、田島佑規 著、翔泳社)。 本書は、クリエイターの皆様がトラブルの予防・対応をするにあたって参照するための、常に手元に置いておきたい辞書やお守りのような書籍を作りたいという思いから生まれました。 まさに法律家における六法全書のような存在を作りたかったので、『クリエイター六法』というタイトルになったというわけです。(「はじめに」より) こう説明するふたりの著者は、デザイナーやクリエイターを対象に法務サポートを提供するサイト「デザイナー法務小僧」を運営しているという弁護士。2018年6月のサイト開設以降、のべ200人以上のクリエイターからの相談を受けてきたのだそうです。 その過程においては、クリエイターの方々の法務需要の高さとコスト面とのギャップをいかに埋めるかが課題だったそう。そのためにどのようなサポートができるかと試行錯誤を重ねるなか、たどり着いた答えは以下のようなものだったのだとか。 ・クリエイターの方が直面する可能性のある代表的な事例を共有することで、事前に危険な場面を察知し、トラブル予防に繋げていただくのがよいのではないか ・不幸にもトラブル事例に直面した際の対応策や今後の予防策を共有することで、必ずしも弁護士などの専門家に頼らなくとも最低限必要な対応はできるようになっていただくのがよいのではないか(「はじめに」より) つまり、それを具体化したのが本書だということです。きょうはそのなかから、「先方都合でスケジュールに遅延が生じた場合」の対処法に目を向けてみたいと思います。