給与明細で「社内預金」として毎月1万円が引かれています。退職時に全額戻ってきますよね?
社内預金制度を利用すれば、毎月確実に貯蓄ができます。さらに、銀行よりも高い利率が適用され、利子を受け取ることが可能です。ただし、預け入れたお金が本当に戻ってくるのか不安を感じる方もいるでしょう。 本記事では、社内預金制度の特徴とメリット・デメリット、退職時にお金が戻ってくるかどうかについて解説します。現在、社内預金制度を利用している方や検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
社内預金とは
社内預金とは、企業が毎月一定額を給与から天引きして貯蓄を代行する制度です。預金されたお金には一定割合の利子がつきます。 社内預金は、一部の企業が福利厚生の一環として導入していますが、導入していない企業もあり、利用するかどうかは任意の制度となっています。社内預金を利用することで、毎月一定額を確実に貯蓄していくことが可能です。 ◆社内預金と財形貯蓄の違い 財形貯蓄も、社内預金と同様に、企業が貯蓄を代行する制度です。ただし、社内預金と財形貯蓄では、預金先や金利が異なります。 社内預金は企業がお金を管理するのに対し、財形貯蓄は金融機関がお金を管理します。さらに、社内預金の金利は厚生労働省によって下限値が年0.5%と定められていますが、財形貯蓄の金利は0.1%以下であることが一般的です。 このように、社内預金と財形貯蓄は異なる仕組みであることを理解しておきましょう。
社内預金のメリットとデメリット
社内預金を検討する際には、メリットとデメリットを理解しておくことが重要です。 金利の高さや企業の経営状況の影響など、社内預金のメリットやデメリットを把握することで、他の資金管理方法や金融商品と比較し、自身にとって社内預金が適した選択かどうかを判断しやすくなります。 本項では、社内預金のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。 ◆メリット 社内預金の主なメリットは、以下のとおりです。 ・金利が高い ・確実に貯蓄できる ・退職時に解約できる 社内預金を利用すると、預けたお金には利子がつきます。社内預金は厚生労働省の指定により下限金利が0.5%と決められています。そのため、銀行に預け入れるよりも金利が高いのが特徴です。 また、毎月の給与から一定額が天引きされる仕組みなので、確実に貯蓄ができます。退職時には解約可能で、預け入れたお金と利子の合計額を受け取れます。 ◆デメリット 社内預金の主なデメリットは、以下のとおりです。 ・企業の経営状況に左右される ・即日での出金が難しい 企業の経営状況が悪化した場合、金利の低下や社内預金制度の廃止などのリスクが生じる可能性があるため注意が必要です。さらに、企業が倒産した場合は、預け入れたお金が戻ってこないリスクもあります。 また、社内預金はいつでも解約や出金が可能ですが、即日での出金は難しい場合があります。なお、企業は、従業員が解約請求を行った場合、7日以内に預金を従業員に返還しなければなりません(労働基準法23条)。 このようなデメリットがあることも理解して、社内預金を検討する必要があります。
社内預金は金利が高く退職時に戻ってくる
社内預金は、強制的に貯蓄ができ、かつ銀行よりも利率が高い傾向にあるのが特徴です。退職時には解約が可能で、全額が返還されます。 ただし、企業の経営状況による影響を受ける可能性があるため、注意が必要です。また、申請後、即日での出金が難しい場合があることにも注意してください。 社内預金をすでに利用中の方も検討中の方も、メリットとデメリットを理解しておくことが重要です。 出典 厚生労働省 令和5年4月から適用される社内預金の下限利率について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部