被災地に「煌」200万円 今季第1号、市場沸く 能登の最高級寒ブリ、昨年と同額
●重さ16.2キロ、長さ91.5センチ 石川県漁協が設ける「天然能登寒ぶり」の最高級ブランド「煌(きらめき)」の今シーズンの認定が2日始まった。七尾沖の定置網に入った重さ16・2キロ、長さ91・5センチの寒ブリが第1号に選ばれ、かなざわ総合市場(金沢市)の初競りで200万円の値が付いた。2022年の最高値(400万円)には及ばなかったものの、昨年と同額で、震災を乗り越えて水揚げされた1匹に市場は沸いた。 2日は、七尾港や能登町宇出津港などで揚がった重さ7キロ以上で姿、形がいい「天然能登寒ぶり」を含む1225本が水揚げされた。 かなざわ総合市場では、各定置網がよりすぐった1匹を寄せ、価格を競う「鰤―1(ブリワン)グランプリ」が開催され、丸々と太った11匹が並んだ。このうち、七尾沖の定置網に入ったブリが煌に認定された。 煌を落札したのは県内でスーパーマーケットを展開する「どんたく」(七尾市)。200万円で競り落とした仲買人は「日本一のブリじゃ」と高らかに声を上げ、喜びを表した。 同社は、煌の認定制度が始まった2022年から3年連続で落札している。山口宗大社長(41)は「地震や豪雨で被災した能登の人たちに元気を届けたいと思っていた。競り落とすことができてほっとしている」と表情をほころばせた。 競り落とした煌は、野々市中央公園店(野々市市)で展示し、3日に同店と七尾市のアスティ店で、刺し身として通常価格で販売される。 第1号の煌を水揚げした佐々波鰤網(七尾市)の吉野宰(つかさ)総務部長は「毎年狙っていたのでとてもうれしい。七尾産の魚の知名度向上と震災からの復興の一助となることに期待している」と喜んだ。 ブリワングランプリに並んだ11匹のうち、煌の認定条件である重さ14キロを超えたブリは10匹だったが、胴回りが十分なサイズではないなどの理由で認められなかった。