藤岡真威人「ウイングマン」で見せる父・藤岡弘、譲りの存在感 坂本浩一監督も実感「遺伝子を強く受け継いでいる」
その言葉を聞いていた坂本監督が「先生は夕方に目が覚める方なので、だいたい打ち合わせは夜遅くになるんです。だから何回も、夜中にずっと先生と話をしていた。先生は夜、元気なんですよ」と明かすと、「現場には本当に迷惑をかけたと思います」と桂。 「何か気になることがあって。思いついてしまうと、(たとえ作業が)進行していても、ここを直してくれと言ってしまう。後から口を出すので、現場では嫌われ者になったと思う」と苦笑いしつつも、「やはり実写の場合、原作とまったく一緒にするのは無理だと思っているので。それでも観る人に原作の匂いを感じさせて、原作の良さをちゃんと伝えるにはどうしたらいいのか、というところで、一生懸命考えた」と総監修として行ったことについて言及。それを聞いた宮野が「それっておもしろいですね。もはや“実写版の原作”になっているわけですから」と指摘すると、桂も「そうだ! いいこと言った!」と思わずひざを打つひと幕もあった。
そんな桂だが、本作の実写化オファーがあった時は「うれしかったですけど、一回どうしようかなと思いました」という。「やはり大切な作品なので、もうちょっとタイミングを待った方がいいのかなと思ったんですけど、僕もそろそろ寿命が尽きそうなんで」と冗談めかしつつも、「今までも何度かお話はいただいていたんですが、それはスルーしてきた。ちょうど僕がやろうかなと思ったのが、そういうタイミングだったのかなと思いました」としみじみ。
それゆえできあがった作品を観て「20歳の頃の『ウイングマン』を描いている頃の僕が観たら、たぶん号泣していると思います」とのことで、「僕は健太と似ているところがあって。編集の方からは健太ってお前だよね、とよく言われていたんです。当時のノリがまさにああいう感じだった。特撮を見るのがこの上ない喜びというか。どことは言わないですが、一か所、ファンサービスの部分があって、いいところでこういうことするなと思いました」と喜びを隠せない様子。