【オートレース】小林瑞季の心に響きまくった同部屋・森且行との大切な時間~飯塚G1開設68周年記念レース
◆開設68周年記念レース(G1、15日・3日目、飯塚オートレース場) オートレースが大好き過ぎて、すべての魂を込めまくって、この愛すべき仕事に取り組む者同士だからこそ、共鳴し合える。彼は強い思いを伝えた。そして、彼の心に深く響いた。 ウキウキ、ワクワクした表情で小林瑞季が教えてくれた。「聞いて下さい、今回は宿舎の同部屋が森且行さんなんです。選手になってから初めてのことなんですが、もう本当にいいお話をたくさん聞かせていただいて、改めて、『よ~し、オレも森さんみたいに頑張ろう!』って思いました」 森は50歳、小林は33歳。年は大きく離れているが、二人には大きな共通点がある。なによりもオートレースが好き。その日のレースで勝とうが敗れようが、ブレることなく、休むことなく誰よりもひたすら働く。熱量が同じ者同士だからこそ、同じ角度の目線で語り合える。 「森さんが日本一(20年日本選手権オートレースを制覇)になった時にどれだけ頑張って、どれだけ準備をしていたかということを教えてくれました。聞いていて、うあ~、マジすげえ!って感動しちゃいましたよ」と小林はあまりに楽しそうにそう言う。 そして、さらに楽しそうに、うれしそうに続けた。「森さんが、“ミズキは今のままのスタイルで仕事をやっていけば大丈夫だよ! 必ず報われると思うよ! なんか僕とタイプが似ているね!”って言ってくれたんですよお~! もう、マジで超うれしかったです。だって、日本一になったレーサーに似ているなんて言われたら、こんな僕だって、もしかしたら日本一になれちゃうんじゃないかなって、真剣に思えるじゃないですか! 遠征って、普段とは違う選手と同部屋になることが多いんですが、こんな機会があって本当に良かったです! 森さん、サイコ~っす(笑い)」 この話を聞いたからには添える写真にぜひ森にも登場して欲しくリクエストすると、魂の伝達者も笑顔だった。「えっ~、ミズキ君にそんなことを言った覚えはないなあ。たぶん、酔っ払っていたんじゃないかな(笑)」。そう照れながら、小林に寄り添って写真に収まってくれた。 小林も森もとにかく夢中で作業をこなす。見ている方がくたびれてしまうぐらいに、疲弊しまくっても手を休めない。 でも、その表情は悲痛じゃない。まるで少年が難しいプラモデルやパズルを完成させようと夢中になっているような顔をして、愛車のエンジンに触れている。 最後は小林が森先生も顔負けのスーパースマイルで締めた。「もう、今年もいくらパーツ代にお金を遣ったのか、怖くて計算できないぐらいです。今回も2日目(5着)がぜ~んぜんダメだったので、また新しいシリンダーを買っちゃいました。でも、そのお陰で3日目の準々決勝戦(2着)ではかなり良くなってくれました。もう、お金の問題じゃないんです。勝っても負けても自分は一生懸命やるだけなので、全然悔いなんてありません。ただ、オートレースは、お客さん、ファンがいてこそなので、そこは何とか応援してくれるみなさんのためにできるだけの結果は出して、お応えしないと! という気持ちが最近は特に強くなっています! せっかく状態が良くなったので、何とか勝ち上がって行きたいです! 優勝ですか? もちろん狙って行きます! せっかく森さんにお話を聞かせていただいたので!」 (淡路 哲雄)
報知新聞社