ダイハツ不正発覚 原因「風土づくり」 記者会見でわかったこと/これから
まさに重大な違反行為
現時点では、これによる事故情報を把握していないが、速やかなる対応を予定しているという。そして、それ以外の車種に関しては、法規が定める性能基準を満たしているとか。 ただし、だからといって問題が解決したわけではない。新車開発における「認証」は非常に重要な工程であり、その手続きにも厳格なルールが存在する。 そのルーツを守っていないということは、新車の型式認定が取り消しされる可能性がある。まさに重大な違反行為となる。 そのため、ダイハツは即座に出荷を停止したのだ。 今後は、当局による監査が行われ、その結果が出た先に、出荷/生産の再開がある。 そして、そうした監査が数日で終わるわけもなく、当然、生産の停止も長期化が予想されているのだ。
一番の原因は? の問いに
ダイハツの奥平社長は「どれだけ長引く話になるのかわからない。また、どれだけ広がるかもわからない」と言う。 出荷と生産停止が、数か月単位にまで伸びれば、巨額な損失になることは間違いないだろう。 また、進退を問われた奥平社長は、「道筋が立つまでは」と答え、即座の退陣がないことを明らかにしている。 それ以外にも、トヨタ、ダイハツ、スズキなどが進めている、電気自動車(BEV)の新型商用軽バンの前途にも影響があるはずだ。 新型の軽EVバンの市場導入は2023年度中を予定されていたが、それも延期する可能性が大きい。 記者会見の最後に「一番の原因は?」と問われた、ダイハツの奥平社長は「特に問題なのは、心理的な安全性を確保された上でのコミュニケーションだったりすると思います。風通しのよい職場を作って、やりかけた仕事を自分自身で止めることのできるような、そういうような職場に変えていく必要があるかなと思っています。風土づくり。そういったところに一番の経営の問題があったのかなと思っています」と答えたのであった。
鈴木ケンイチ(執筆)