【ヤクルト】「山田さんが来てもスタメンで」期待の22歳が打撃面向上へ意欲! 強固な壁を越えられるか
ヤクルトの5年目内野手・武岡龍世が5月14日の広島戦(松山)に「8番・二塁」で先発出場し、4打数2安打1打点と活躍。正二塁手の山田哲人がコンディション不良で離脱している中でアピールに成功した。 【動画】スタメン奪取へアピール!武岡龍世が松山の夜空に放った一発 0‐2と2点差で迎えた7回一死で、広島先発の床田寛樹から右翼席へ今季2号アーチを放ち「お世話になっている松山の地で良いところを見せられて良かった」と喜んだ。 武岡にとって愛媛県の松山市はオフになると自主トレで訪れる場所。出身地も徳島県の22歳が、ゆかりのある四国で躍動した。 5回の第2打席も二死から左前打で出塁。同12日の巨人戦(神宮)でも左翼と中堅へそれぞれ安打を放って2試合連続のマルチ安打をマークした。 武岡は「こっちに(逆方向に)強い打球が打てるというのは良い打ち方をしているという証拠」と、練習から逆方向へ打つ取り組みを行っている。「練習と試合で形がガラッと変わってしまう。いかに練習のパフォーマンスを出せるかというのが目標」と口にしていたが、見事に試合で結果を残した。 課題はバッティングだ。27試合に出場して打率.196、2本塁打、5打点という成績で、自身でも「走塁なり、守備ではアピールできている」と話したが、3度のトリプルスリーを達成している山田という強固な壁を乗り越えるためには、打撃面での向上を必須条件に掲げた。 首脳陣も武岡のような若手の奮起に大いに期待している。大松尚逸打撃チーフコーチは「1軍の試合に出てたくさん経験しないと。ベンチにいて雰囲気は経験できても、やっぱり試合に出てあの緊張感の中で、失敗が許されないような中でどうやって普段のパフォーマンスができるのか、自分の思い描いていることができるのかというところが大事」と、若手全員に共通する思いを口にした。 武岡以外にもスタメン奪取を狙う20歳前半の若手内野手は多く存在する。開幕1軍で現在はファームで汗を流す23歳の赤羽由紘や、新人で21歳の伊藤琉偉、まだ1軍経験のない3年目21歳の小森航大郎らも負けじとその座を狙っている。 そんなライバルを蹴落とし、1軍で輝きを放つために日々鍛錬を続けている背番号「60」は、こう決意を述べる。 「1試合でもスタメンを多く出られたらいいなと思っている。スタメンにしっかり出してもらえるように、山田さんが来てもスタメンで出せるぞというぐらいのアピールをしたいなと思います」 山田は現在、1軍復帰を目指してファームで実戦を重ねながら調整を続けている。チームのキャプテンにして数々の経験を積んできた背番号「1」の牙城を崩すのは容易ではないが、今後も猛アピールで自身の名をとどろかせる。 [文:別府勉]