サッカー日本代表のストライカー3人を豊田陽平が徹底分析 小川航基の「伏線」とは?
その後、大橋はサンフレッチェ広島、ブラックバーンで得点を量産。代表でもデビューを飾っている。 「大橋選手は点を取る、という意識が強い。伏線の話で言えば、何回も何回も駆け引きしている。1、2回でなく、何度も見せているからこそ、得点に至る動きになっているんです。そこの"惜しみなさ"が目を引きますね。自分もそうでしたが、"先発完投型"。90分のなかで伏線を張って、回収できるストライカーだと思います」 豊田は、タイプが違う3人の日本人センターフォワードたちを端的に解説している。ある領域に入った者だけが語れる世界があるのだろう。非常に興味深い考察だった。 〈ゴールに偶然はない〉 よくストライカーたちはそう言う。その必然を紐解くと、ストライカーの本質が表われるのだ。(つづく) 【profile】豊田陽平(とよだ・ようへい)1985年、石川県生まれ。星稜高校卒業後、名古屋グランパス入団。その後、モンテディオ山形、京都サンガ、サガン鳥栖、蔚山現代、栃木SCでプレーし、2022年からツエーゲン金沢に。2008年、北京五輪に出場。2013年、アルベルト・ザッケローニによりフル代表に初選出。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki