横浜駅弁「シウマイ弁当」が70年愛される、その理由とは?
首都圏から列車で出かけるとき、多くの方が手にしている崎陽軒の「シウマイ弁当」。ただ、神奈川エリア(一部、東京都を含む)と東京エリアでは、その包装が異なるのは有名です。神奈川エリアでは、職人さんが昔ながらの紐をかけた包装なのに対し、東京エリアでは、紙ぶたとなっています。ちなみに掛け紙のデザインも一部異なっており、東京工場製の「シウマイ弁当」には、スカイツリーをイメージしたイラストが入っています。
【おしながき】 ・俵型ご飯 小梅、黒胡麻 ・昔ながらのシウマイ ・鮪の漬け焼 ・蒲鉾 ・鶏の唐揚げ ・玉子焼き ・筍煮 ・あんず ・切り昆布&千切り生姜
シウマイ弁当が誕生した翌年の昭和30(1955)年、「シウマイ弁当」に一つ、加えられたアイテムがあります。それは「お手拭き」。いまでは、当たり前のように付いている駅弁の「お手拭き」ですが、崎陽軒が最初だったそう。ちなみに同じ年、「シウマイ」の箱に入れるしょう油入れに漫画家の横山隆一先生が「目鼻をつけてあげよう」となり、「ひょうちゃん」と名付けられました。
昔、ラジオ番組のスタッフとして、ある歌手の方から聞いた話では、著名人の方の中には、東京から新幹線で西へ向かう時、どうしても紐をかけた「シウマイ弁当」を食べたいゆえに、新横浜で一旦降りて、神奈川エリアの「シウマイ弁当」を買い求める方もいたといいます。昭和39(1964)年の新幹線開業では、新幹線は横浜駅を通らず「新横浜」という新駅が設けられました。
ライター望月の駅弁膝栗毛 「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介! 著者:望月崇史昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。 駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/