「無料のモノはもらわない」お金のマイルール 「損したくない!」けれど「失敗を許容するお金」で健やかに過ごす
会社員時代とはお金の流れも扱い方も違う。そうこうしていくうちに、お金はあくまでツールなんだなと改めて思うようになった。 お金には、ものやサービスと交換するという機能、ものやサービスの価値を測るという機能、貯めておけるという機能などがある。その機能をどう使うか、活かすも殺すも私次第だ。 私が実感しているお金の大事な機能のひとつは、失敗を許容する力を持つことだ。 その力はお金に余裕がある時に発揮される。リスクを取ることに対する心理的障壁を下げ、失敗を学びや成長の機会として捉えることを可能にしてくれるのだ。
たとえば、10万円の新製品パソコンを試したいとする。10万円で購入したパソコンが期待以上の良さをもたらしてくれたなら何も問題はないが、もし期待以下や全然使えなかったら、10万円を失ってしまうことになる。 もし手元に10万円しかなかったら、次のチャレンジもできないし、損した・失敗したという気持ちになる。寂しい。しかし、手元に100万円持っていたらどうだろう。 10万円は上手くいかなかった勉強代として、次に別の20万円のものを試してみようという気になると思う。10万円を失った時の捉え方が、お金の余裕の有無で異なってくる。これが、お金が持つ失敗を許容する力だ。
■失敗を許容する力に気づく え? お金をたくさん持っていればいいってこと? いや、そうではない。お金をたくさん持っているからといって、失敗を許容する力を上手く使えるわけではない。お金の貯める機能ばかりに目が向いている人もいるし、どうやったら、お得に交換できるかしか見ていない人もいる。 いくらお金を持っていても、人はお金を失いたくないと思うと、チャレンジや変化に消極的になる。そんな人にとっては、お金を使って期待した結果が得られないことは全部、ただの失敗であり、損した気分だろう。
お金の余裕は条件だが、それを、失敗を許容する力として使うかは本人次第だ。 私は、毎月一定金額を、失敗を許容する予算として取っている。あらかじめ予算を作れば、新たなことを気軽に試せるし、それがいまいちでも「まいっか」と許せる。 最近、新しいキーボードを購入して試したが、私には合わなかった。文字を打つ時の指の感覚がちょっと遠く、文字がスムーズに打てない。でも、これは失敗ではない。失敗を許容する予算の消化だ。