小早川秀秋役で注目・嘉島陸さん「人としても成長していきたい」 再び歩み始めた俳優の道 大河ドラマ「どうする家康」に出演
[正月特集](第4集) 爽やかさを身にまとい、柔和な性格が表情からにじみ出る。時折意志の強さを感じる瞳が印象的だ。嘉島陸(25)。一度は引退した役者の道だが、「役者としてうまくなりたいし、人としても成長していきたい」と再び俳優の道を歩み始めている。 子役時代は数々のドラマに出演。NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」で徳川秀忠の幼少期を演じるなど活躍したが、中学進学を前に父の転勤で沖縄へ戻り、芸能界を引退。中学、高校ではバスケットに明け暮れた。県内大学へ進学後の2018年、芸能事務所セブンスアヴェニューに所属し再デビューした。 そこからは学業と俳優との二足のわらじを履く生活が始まった。 沖縄と東京を行き来しながら仕事を続け、大学卒業後の21年に上京。同年には「SUPER RICH」(フジテレビ)で沖縄出身の編集者を好演した。「まだ十分なお芝居ができているとは思っていない」。俳優としては発展途上だと自覚しながらも「役を頂いたときに、その役に向き合うことを大事にしている。事前準備をしっかりする」ことを常に心がけている。 そんな姿勢が表れたのが、小早川秀秋を演じた23年のNHK大河ドラマ「どうする家康」だ。優柔不断で頼りなく描かれてきたこれまでの人物像とは異なる、したたかで計算高い「関ヶ原の戦い」のキーマンを熱演し注目を集めた。小早川が城主を務めた岡山城まで足を運び、人物像について調べ上げた。「演じる人物へ敬意を持って演じられた」と振り返る。 24年は昨年出演したドラマ「マイホームヒーロー」の劇場版に加え、春公開予定の「乱歩の幻影」で明智小五郎のモデルとなったとされる人物を演じた。「今年は嘉島陸という存在を多くの人に知っていただけるように頑張りたい」。飛躍の年に向けて動き出した。(文・写真、屋良朝輝) かしま・りく 那覇市出身。1998年11月12日生まれ。子役としてドラマやCMなどに出演。2018年に芸能活動を再開し、「花のち晴れ~花男Next Season~」「SUPER RICH」、大河ドラマ「どうする家康」などに出演。24年に映画「乱歩の幻影」「マイホームヒーロー」が公開される。