「カスハラ」連発の今の日本は「優しい国」じゃない…海外の人が抱いている「正直な感想」
カスハラが横行している
コンビニやレストランをはじめ、店舗や窓口などで、客が企業や店に過度なクレームをする「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が横行している。 【写真】イギリスで日本の「カツカレー」が“国民食”になっている驚きの理由 10日、FNNプライムオンラインが報じた動画では、都内の天ぷら店で、店員が会計金額を間違えたことに客の男性が激高し、応対した店長に「土下座しろ! この野郎!」と怒鳴った。同様に都内の牛丼チェーン、吉野家の店舗でも、注文内容を巡って激怒した客が、頭を下げる店員の姿をスマホで撮影しながら叫んでいた。 こうした光景は近年、珍しくなくなっているのが日本だ。18年にマレーシアに拠点を持った筆者も、「やたらと日本人がイライラしている」と感じるようになった。 コロナ禍の間の渡航で、成田とマレーシアのクアラルンプール、さらにタイ・バンコク、インドネシア・ジョグジャカルタでの検疫に並んだことがあったが、唯一、成田空港だけ怒鳴っていた人々を見た。 「遅い!」、「早くしろよ!」と怒鳴っていたのを計4度、いずれも40~60代ぐらいの日本人男性で、空港職員に対して大声で威圧していた。これもカスハラだ。 それを見た外国人男性が「彼らに怒鳴っても待ち時間が短くなるわけがないのに」と呆れていたのも思い出す。
マレーシアで怒っている人を見ない理由
一方、マレーシアではカスハラを見ることは皆無に等しい。ゼロではないのだろうが、この6年、日本で何度も見かけた光景が、マレーシアでは1度も見ていない。そもそも外では怒っている人を見ること自体がない。 「この国では、怒って抗議するより、困った顔をしているほうが助けてもらえるから」 これはマレーシア人だけでなく、長期滞在している日本人からも何度も聞いた話だ。 実際、筆者も実践してみたが、まさに効果的で、通販やインターネット接続トラブルでカスタマーサービスを利用した時、仕事から生活に至るまで、強く言うより困った顔を見せるほうが親切に対応され、解決までが早かった。この点では、心地の良さは日本より上だ。 なぜ日本人は、こうも「優しくない人」が増えたのか。これはデータにも表れている。イギリスに本部があるチャリティー団体CAFが毎年発表している「世界人助け指数」(WORLD GIVING INDEX)の昨年度ランキングで、日本は142カ国中139位だった。G7先進国やアジア諸国の中では最下位になっている。 過去に世界最下位になったこともあり、ネット上では「どうせ調査方法がおかしいんだろう」なんて声もあったが、この調査は約1カ月間、(1)「見知らぬ人を助けたことがあったか」(2)「寄付をしたか」(3)「ボランティアをしたか」の3項目について調査した一定の根拠ある指数だ。 項目別に見ると、(1)では日本が不名誉にも最下位で「世界一不親切な人々」ということになっている。ポーランドやカンボジア、パキスタン、フランスなども下位、いずれの国にも行ったことが複数あるが、たしかに印象として人助けをしていない、関心がない印象はある。 逆に、上位はジャマイカ、リベリア、リビア、ナイジェリア、クウェートの順で、6位にはウクライナも入り、洗練された国が上位にくるというものでもないことが分かる。(2)(3)で、日本はワースト10に入っていないが、かなり低い部類だった。 総合ランキングでのトップは6年連続でインドネシア、最も優しい人々はイスラム系ということになる。以下、トップ10は、ウクライナ、ケニア、リベリア、アメリカ、ミャンマー、クウェート、カナダ、ナイジェリア、ニュージーランド。逆に最下位はポーランドで、日本はクロアチア、イエメンに続くワースト4位。 日本から近いところでは、ベトナムが134位、フィリピン98位、台湾97位、韓国79位、香港77位。マレーシアは31位で、これは実感としても、多民族国家で移民も多いためか、人助けやボランティアは日本よりも積極的な印象がある。