PFLでの初陣を飾りました【渡辺華奈のデートするならジムがいい】
少し時間が経ってしまいましたが、4月4日(現地時間)『PFL 1:2024 Regular Season』にて、シェイナ・ヤング選手に勝利することができました。ベラトールの買収によって、新たなリングで闘うことになっての初陣だったので、まずはホッとしましています。今回は新天地での闘いについて振り返ってみたいと思います。 【フォト】渡辺華奈選手の鍛え抜かれた美ボディ
ベラトールの買収の話は、皆さんと同じようにメディアに出ている情報しか知らず、噂レベルの話しか知りませんでした。1月末くらいに団体と今後の方向性を話し合って、PFLのリーグ戦に参加することになると知ったのが2月になってからです。PFLの年間スケジュールが出ていて、開幕戦の4月4日に試合だということを教えてもらいました。 海外での試合にはだいぶ慣れたので、環境的にはそこまで大きな違いは感じませんでした。その中でも一番大きな違いはドーピングチェックの多さです。試合の前はアップしたい時間に全員のチェックがあります。また、その他にも抜き打ちがあって、滞在中朝の6時に抜き打ちがきたこともありました。PFLに出場している期間は、常にドーピングチェックがつきまとい、帰国してからも定期的にチェックがきます。 その他にはコスチュームやグローブも違います。自分は普段、赤いコスチュームを着ていますが、PFLは赤コーナーが黒、青コーナーが青とコスチュームの指定あるため、今回は黒のコスチュームを着ました。現地に到着して2日目くらいにコスチュームのサイズ合わせをして、問題がなければ写真撮影の際にそれを着ます。しかし、コスチュームはその場で回収されます。試合のときにまた渡されて、着るのでなかなか馴染まない感じはあります。
グローブもベラトールとは違いました。機能の違いではなく、PFLのグローブにはチップが埋め込まれているのです。試合時のパンチのスピードやヒット数がチップによって計測されます。試合のジャッジは人が行ないますが、データからAIスコアも出るようになっています。実は試合のとき、1ラウンドに自分のチップが吹っ飛んでしまいました。 そして肝心の試合です。報道にもあった通り、相手のシェイナ・ヤング選手の体重超過により、キャッチウエイトで闘うことになりました。計量の前日、相手選手がInstagramのストーリーに「今から痩せないいけない」みたいな投稿をしていて、体重の画像を見ると63kgもあったんです。1日で6kgも落とせるのかな?なんて思いながら見ていました。こういう人は体重が落ちたら「クリア!」みたいな投稿をすると思っていたので、それからまったく更新がないということは「コイツやったんじゃないか?」と嫌な予感がしました。案の定というか、予想通りでしたね。 朝の9~11時が計量時間で自分は計量を終えてホテルに戻っていました。すると10時くらいにスタッフから連絡があって会場に行ってみると、相手が落とせないからキャッチウエイトで試合をしてくれということでした。計量時間はまだ1時間もあるのに、最後まで落とそうともせずにリカバリーに入っていたようで、「ちゃんとクリアしろよ!」という憤りはありました。 ただ、この条件で試合を飲まないと自分は棄権になってリザーバーが入るということだったので、やるしかありません。相手は体重超過でマイナス1ポイントです。せめてそのポイントをこっちにくれよって思いました。 試合前にゴタゴタがあったものの、判定3-0(30-27×3)で勝つことができて、最低ラインはクリアしたかなという気持ちです。相手が止まればパウンド、パウンドを嫌がったらサブミッションを取るという感じで、フィニッシュを狙いにいった結果として圧倒することはできましたが、一本を取りたかったので、悔しさも残る結果でした。リーグ戦2試合の結果でプレーオフ進出が決まるため、少しでもポイントを稼ぎたかったというのが本音です。 PFLは毎年、その年のチャンピオンを決める形であり、いってみれば勝ち上がって金メダルを獲るみたいな感覚です。2024年のチャンピオンになるには勝っていくしかないので、次の闘いもしっかり勝ちたいと思います。
渡辺華奈(わたなべ・かな) 1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW