立ち入り禁止の池で泳ぐ 道の真ん中で写真撮影 「オーバーツーリズム」の現状 観光と地域の共存は…北海道美瑛町
(美瑛町商工観光交流課 成瀬弘記さん)「今回に関しては、設置した侵入検知カメラに検知されなかったので、検知できるエリア外から侵入されたのではないかと考えています」 泳いでいた男性は、カメラの死角を通って侵入したとみられています。 (美瑛町商工観光交流課 成瀬弘記さん)「広い場所なので全てがカバーできているわけではない。これからまた対策が必要かなと考えています」
「オーバーツーリズム」に悩む地元農家
一方、問題は観光名所の「セブンスターの木」でも。 (山﨑記者)「写真を撮ろうと観光客が列をつくっています。あちらの車道も写真を撮る人で埋め尽くされてしまっています」 写真を撮ろうと、車道にごった返す観光客。
なかには道の真ん中に座りこむ人も。 (観光客)「この景色がSNSで有名。車がいない道路ときれいな景色」 (観光客)「満足な写真を撮りたいみたいな」
周囲には小麦の畑が広がっています。 収穫期を迎え、観光客のすぐ側を続々とトラクターが通過しますが… 観光客とぶつかりそうになり、警備員が注意する場面も。
地元の農家は10年以上前から観光客による迷惑行為、いわゆる「オーバーツーリズム」に悩まされてきました。 (地元の農家)「駐車場に入りきらないバスがいて、それが何台も道路に並ぶ。そしてお客さんを降ろすでしょ。もう通れなくなって。いつ事故が起きてもおかしくない状況」 近くの駐車場には多くの車やバス。 路上駐車も相次ぎ、農作業に支障が出ているといいます。
(山﨑記者)「あちらの男性、畑の中に入ってしまっています」 さらに、畑を踏み荒らされる被害も。 靴底を介した病害虫の侵入が懸念され、農家にとって一番の脅威です。
(地元の農家)「観光客に対して…いなくなればいいなと思うけどね。この農村地帯で共存なんてできるんだろうかね」 住民の要望をうけ、町と警察は7月から8月21日までの1か月間、付近の町道を駐車禁止とする試験的な対策を始めました。 さらに、警備員が交通整理や注意喚起にあたっていますが、いたちごっこが続いています。 (警備員)「道路に出て好き勝手やっている人は明日は来ないので、最初で最後の一日だけ、その場だけだからあまり言うこと聞かない」