イランがイスラエル関連のコンテナ船を拿捕-ホルムズ海峡近く
(ブルームバーグ): イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は13日、ペルシャ湾とオマーン湾の間のホルムズ海峡の近くでイスラエルと関係のあるコンテナ船を拿捕(だほ)した。国営イラン通信(IRNA)が報じた。
報道によれば、IRGCの特殊部隊はヘリコプター1機で「MSCアリエス」号に乗り込み、イランの領海に向かうよう指示した。拿捕の理由は示していない。
今回の拿捕は、イスラエルがイランによる攻撃を警戒する中で起きた。今月1日の在シリア・イラン大使館に対する攻撃はイスラエルによるものだとみて、イランは報復を宣言している。ブルームバーグは、イランが数日以内に無人機やミサイルで攻撃を行う可能性を報じている。
イスラエル、数日中のイランからの直接攻撃を警戒-関係者 (3)
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は12日、全面的な地域紛争に至るのを避けるため、報復攻撃は「調整された」形で行われることになるとのシグナルを、イラン当局が西側諸国に送ったと伝えた。
MSCアリエスの受益所有者は海運会社ゾディアック・マリタイム。ブルームバーグの集計データによると、同社はイスラエルの富豪エヤル・オフェル氏率いるゾディアック・グループ傘下にある。
英国の合同海洋情報センターはMSCアリエスについて、イスラエル関連だと認識されたために拿捕の対象となった可能性が高いと指摘した。
ゾディアックの担当者は、同船舶に関しては運航会社のMSCに問い合わせるようにと話した。MSCの広報担当者は拿捕されたことを認め、アラブ首長国連邦(UAE)時間午前6時43分ごろ、MSCアリエスがホルムズ海峡を通過している際にイランの部隊が乗り込んできたと説明。乗組員25人の無事と同船舶の安全な帰還に向けて注力していると述べた。
イスラエルのカッツ外相は「国際法違反の海賊行為だ」とX(旧ツイッター)に投稿した。
MSCアリエスはUAEのハリファ港に寄港した後、現地時間12日夕方時点でホルムズ海峡に向かって東に航行していた。