被災ピアノ、珠洲で復活 ハラミちゃんが金沢でお披露目演奏
能登半島地震の被災家屋から救出されたピアノが能登の子どもたちの絵で化粧直しされて被災地に戻り、ストリートピアノとして活用されることになった。珠洲市の飯田町商店街にある「いろは書店」の仮店舗に設置し、誰でも自由に演奏できるようにする。ピアノは30日、金沢駅もてなしドーム地下広場でお披露目され、サプライズ出演したピアニストのハラミちゃんが癒やしの音色を奏でた。 ピアノは珠洲市から金沢市に搬出され、7月から奥能登地区の子ども約40人が絵を描いた。テーマは「道」で、ピアノ全体を縦横無尽に走る道の周囲に見附島やクジラ、木、鳥などのイラストが描かれた。 お披露目式には絵を描いた子どもたちが出席。ポップピアニスト兼ユーチューバーのハラミちゃんが復興への願いを込めて「ケセラセラ」「TOMORROW」を奏でたほか、参加者のリクエストに応じて即興の曲を披露し、会場を盛り上げた。 いろは書店ではピアノを店内に置き、音楽イベントなどの際には屋外に出して活用する予定。八木淳成店長(50)は「能登に足を運んでもらうきっかけになればうれしい」と話した。 ピアノの化粧直しは珠洲市の音楽講師の細川里美さん(44)と英会話講師の新出奈保さん(43)が「みちプロジェクト」と題して企画した。細川さんは「ピアノは地震を忘れないためのシンボルにしたい」と話した。 ピアノは2台あり、1台が珠洲でストリートピアノとなり、もう1台は金沢市畝田西3丁目の「YAAYAA ART STUDIO」で活用される。