石炭、不動産バブルに沸いた中国・内モンゴル自治区 恩恵を受けたのは漢民族
ここ数年、経済成長に陰りを見せる中国。経済発展のために必要不可欠なのが、広大な国土に眠るエネルギー資源の確保だ。中国の内モンゴル自治区は、石炭や天然ガス、レアースの生産量は中国一を誇っている。 そして、この鉱物資源開発によって、内モンゴル自治区の経済成長率は毎年右肩上がりが続いてきた。しかし、それも2013年の石炭、不動産投資バブル崩壊までだった。
僕が内モンゴル自治区を訪れたのは2011年、石炭バブル崩壊の前で、まだ街は活気づいていた。高速道路や幹線道路はどこも、石炭などを載せたトラックで渋滞。これらの資源開発の恩恵を受けているのは漢民族たちである。当局の長年に渡る漢民族移入政策は、この内モンゴル自治区でも功を奏した。現在、内モンゴル自治区のモンゴル族は、わずか2割以下で漢民族はおよそ8割を占める。支配する漢民族と、支配されるモンゴル族という図式がそこにはある。これはチベット自治区、新疆ウイグル自治区でも、同じようなことが起きている。 中国 内モンゴル自治区 2011年7月 ※この記事は「【フォトジャーナル】中国・第三の火薬庫 内モンゴル自治区 村田次郎」の一部を抜粋したものです。