「気持ちだけで勝てるわけがない」絶好調PSVに大敗を喫したAZ、菅原由勢は怒りを滲ませて苦言を呈した「僕はもっと影響を与えなきゃいけない」【現地発】
「今日は負けるべくして負けたと思います」
1987−88シーズン、若き日のフース・ヒディンク率いるPSVはリーグ開幕17連勝を達成した。このシーズンのPSVはオランダリーグ、欧州チャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)の2冠を達成した。 【PHOTO】C・ロナウド、メッシ、ネイマールらワールドクラスの華麗なる妻&恋人たちを一挙紹介! ペーター・ボス率いる今季のPSVも歴史に名を刻みそうなチームだ。12月17日、オランダ強豪クラブのひとつ、AZを敵地で4−0と完膚なきまでに打ちのめして開幕16連勝を記録し、年内のリーグ戦を終えた。来年1月13日のエクセルシオール戦に勝てば、36年前の「伝説のチーム」が作ったリーグ記録に並ぶ。さらにPSVは、CLベスト16進出も決めている。 その強さを目の当たりにしたAZの右SB菅原由勢は、険しい表情でこう語った。 「力の差があった。ただそれだけだと思います。準備もそうだし、どういうプランを持って試合に入るかもそうです。それが(立て続けに3失点した)前半20分足らずではっきり出た試合だったと思います。それがすべてじゃないですか」 3日前にはレギア・ワルシャワ(ポーランド)に0−2で敗れ、カンファレンスリーグ(UCL)のグループステージ突破に失敗したばかり。昨季のUCLでAZがベスト4まで勝ち上がったことを思うと少し寂しい。 PSV戦後、「戦術の差ですね。今日はただそれだけです」などと菅原と記者の間で重く短かなやり取りが続く。しかし、「さっき言った『戦術の差』とは?」という問いに対し、「僕が今から言うことは批判でもなんでもないし、チームに対しての文句でもないんですけど」と前置きすると、堰を切ったように思いの丈を述べた。 「本当にトップ・トップになってCLをつかみ獲りたい、タイトルを獲りたいのなら、もっと細かいところを突き詰めていかないと。そのことを僕自身、強烈に感じる。 AZは若い選手が多く成長過程にある。だから毎試合(調子に)ムラがあることは当然理解できる。じゃあ、そのことに対してチームとしてどうアプローチするのか。どういうプランを持って次の試合に勝ちに行くのか――そういうところが、僕はまったく感じない。今日の試合もそうでした。 試合前に『今日はこうしよう』と言って、簡単にそれができるレベルだったら良いんですが、これだけ試合をやっていてできていないことに気付かないといけない。僕たちは若いからこそ、もっともっとサッカーを知るという意味でもいろんなミーティングをして、ピッチ上でいろんなことを試してやらないといけない。試合に勝つための練習もしないといけない。こういう試合を気持ちだけで勝てるわけがないんです。 僕たちは木曜日にも試合をしましたが、金曜・土曜と時間はあった。リカバリーも必要ですが、『どういうサッカーをするか』ということを短い時間でもいいから練習場で確認すればいいだけなのに、それすらしない。こんな言い方はしたくありませんが、今日は負けるべくして負けたと思います」
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