進学、就職……発達障害がある我が子の将来が不安。発達支援はどう変わるべき?
――では最後に、子どものことで不安や悩みを抱えている親御さんたちにメッセージをいただけますか? りっきー:長男の障害がわかった当初、良いと聞いたものにはなんでも飛びついて、さまざまな失敗を重ねてきました。でもモンテッソーリ教育と出会って、子どもを一人の人格ある人間として捉えられるようになってからは、気持ちが軽くなっていった気がします。とはいえ、モンテッソーリの教具を買い揃える必要はありません。一緒にお掃除をしたり料理をしたりと、家庭の中で出来ることで教えられることがたくさんあるからです。特に集団生活に入ると、 どうしてもその定型発達の子たちとの差みたいなものが気になってしまう時期が私もありましたが、お子さんをじっくり観察し、誰かと比べるのではなく、「3カ月前のその子」「半年前のその子」と比べながら支援してあげてほしい。そうすることで、本人の成長をそのまま認められるようになると思います。 小嶋:いま、発達障害についてのさまざまな情報が溢れている中で、もしかすると絶望的な情報を拾い上げてしまうこともあるかもしれません。そういったときは、同じ状況を乗り越えてきた先輩たちや私たちのような専門家とつながって、頼って相談していただきたい。一人で抱え込むのではなく、仲間を作って、一緒に頑張っていきましょう。
【PROFILE】小嶋悠紀(@oshietekojit) こじまゆうき/1982年生まれ。発達支援コンサルタント、元小学校教諭。信州大学教育学部在学中に発達障害がある人を支援する団体を立ち上げ、代表を務める。卒業後は長野県内で小学校の教員を務めながら特別支援教育の技術などをテーマとする講演を全国で実施。株式会社RIDGE SPECIAL EDUCATION WORKSを立ち上げ、県の保育士等キャリアアップ研修や、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の養護教諭むけの研修なども担当する。直接の指導や支援会議への参加を通じてこれまで2000人をこえる子どもの支援に関わり、センサリーツール「ふみおくん」の開発にも携わった。近著に『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(講談社) Instagram:@oshietekojit 【PROFILE】 りっきー(@ouchi_monte_ryoiku) 1983年大阪生まれ。プラスモンテ®️主宰。小5と小1の男の子の子育て中。日本モンテッソーリ教育綜合研究所2歳半-6歳コース教師、保育士。会社員を12年経験後、長男の発達について悩んだ経験から、発達のことで悩む保護者と子ども、支援者の3者をつなぐ役割をしたいと考え、教育業界へ転職。その後独立。モンテッソーリ教室での講師業の傍ら、保育園・療育施設などで出張研修・オンライン研修をおこなう。講談社with class mamaにて「りっきーの凸凹(でこぼこ)道を行こう!」連載中。近著に『感覚統合の視点で「できた!」が増える!発達が気になる子のためのおうちモンテッソーリ』(日本能率協会マネジメントセンター) Instagram(@ouchi_monte_ryoiku)でモンテッソーリ×感覚統合の視点でおうちでできる取り組みを発信中。