福岡の若者が広島を歩いてみたら いい所たくさんある? 若手社会人が交流
福岡から見ると、広島の街にはいい所がたくさんあるようです。今月、福岡市と広島市の若手社会人が交流し、広島市中心部を歩きました。人口が増えて大規模な再開発事業が進む福岡市と比べて、何を魅力に感じたのか。二つの地方中枢都市が連携してできることはあるのか。活発に交わされた意見を紹介します。 広島市と福岡市、二つの都市の違いは?
■福岡からみた広島市は?
「緑がたくさんあり、歩いて風景が楽しめるってめっちゃいいですね」。広島市中区の平和記念公園や平和大通りを巡りながら感嘆の声が上がる。視察に訪れたのは、福岡市の繁華街・天神の「天神明治通り街づくり協議会」の若手プロジェクトのメンバー約20人。広島市中心部の将来を考える官民連携組織「広島都心会議」の若手が集まる「東千田塾」の約20人が案内役を務めた。 新サッカースタジアムができた基町地区、八丁堀や並木通り商店街などをグループに分かれて散策。目立ったのは「ゆとりのある公共空間を魅力に感じる」という声だ。街中を流れる川にも注目が集まり、川辺の風景の美しさを評価する意見が相次いだ。外国人旅行者に広島泊まりを促す旅行プランとして「朝食を、川を走る船の上で取る『朝活』はどうか」との提案もあった。 福岡・天神に足りないのは「無料で気持ちよくくつろげる場所」だそう。一方、広島市中心部は、川沿いや並木通り商店街の歩道のベンチ、ひろしまスタジアムパークの広々した芝生など「ひと休みできるスポットが多い」という。 課題も浮かんだ。路面電車でJR広島駅まで移動した班は「車窓から見る街並みがきれい」と魅力を語りつつ「紙屋町・八丁堀と広島駅を結ぶエリアに、歩いてもっと楽しくなる工夫があればいい」とも。歩道を走り抜ける自転車が多く「自転車道がもっと整備されたら、さらに街歩きが楽しくなる」との発言もあった。紙屋町地下街シャレオは「照明を暗くする演出で、ぐっとおしゃれな空間に変わりそう」との声もあった。
■広島×福岡 連携できることは
初めて企画した交流の目的は、互いの街の強みや課題への理解を深め、連携策を探ること。「中国地方、九州という枠組みの意識を捨てると、やれることがもっと見えてくる」と話し合いは盛り上がった。 海外旅行者にとっては、広島は平和都市として知名度が高く、福岡はアジアからの玄関口として利便性が高い。新幹線で約1時間と、実は近い両都市を巡る観光プランの提案もあった。 「天神明治通り街づくり協議会」の若手プロジェクト事務局を務める西日本鉄道社員の堤彩香さん(29)は「『リトル東京』にはなれないし、なってはいけない。同じ規模感の広島市と交わり、地方都市・福岡らしく街を盛り上げるヒントが得たい」と語る。広島都心会議事務局の佐藤彰彦さん(42)は、「思いも寄らないアイデアが出た。できることから形にしたい」と手応えを感じた様子。広島メンバーによる福岡視察を計画している。
中国新聞社