「マジで米売ってない」SNSで“米不足”指摘する声続々も…「需給はひっ迫してない」のに品薄感じる理由とは?
米の値段高騰や在庫不足が連日、テレビやネットニュースなどで報じられ話題となっている。 SNSに投稿された米売り場の様子 弁護士JP編集部では7月、「また平成の頃のように米騒動が起こるのか」といったSNS上の心配の声を受け、米の需給などについて、農林水産省の担当者に聞いている。 担当者は「需給が逼迫(ひっぱく)している状況ではない」としつつ、新米が出回るまでの入れ替わりの時期であることなどを理由に「局所的に不足感が出ているのでは」と説明していた。 しかしながら、その後約1か月が過ぎたものの、依然として米不足や価格の高騰を心配する声はやまない。 SNS上では「4店舗周ってマジで米売ってない」「店変えれば入手は可能。でも、高いな~」といった声があがっている一方、「スーパーに行ったら、山ほどあった」「本日行ったスーパーは米の山でした」との投稿も見受けられ、地域間で米の供給量に格差が生じている実態があるようだ。
不足感続くも「米の需給は逼迫していない」
改めて現在の米の需給とその現状について、前出の農林水産省担当者は再度の取材に対し、「今の認識としても、米の需給は逼迫していない」と回答した。 「たしかに、6月末のお米の民間在庫量は156万トンと、前年の197万トンから減っています。この数字は、2021年や2022年の数字と比べて少ない数値であることは間違いありません。 ですが、そもそも米の年間需要量は近年、年間約10万トンずつ減っていることがわかっています。需要量が減れば、当然、必要な在庫量も減少します。 その年の需要量に対する、6月末の民間在庫の割合を比べたところ、今年は22.2%でした。過去には2011年に22.0%、2012年に22.1%となったこともあり、決して過去になかった水準ではありません。 2011年や2012年は東日本大震災の影響もあり、一時的には、物流が混乱したり、いろいろな物がなくなったりということが起こっていたかと思いますが、年間を通じて『お米が食べられなかった』という状況ではなかったと思います」(農林水産省担当者)