「マジで米売ってない」SNSで“米不足”指摘する声続々も…「需給はひっ迫してない」のに品薄感じる理由とは?
「今が一番在庫がタイトな時期」
ただ、担当者も前回取材時と比べて「変化」を感じているという。 「南海トラフ地震臨時情報の呼びかけがあったり、神奈川県で地震が連続的に発生したりするなどして、水や食糧の買い占め・買いだめというような消費行動があり、その影響が米にも一部出ているのではという見方をする流通業者さんもいらっしゃいます。 お米は年に1作ですから、例年、収穫前が一番在庫がタイトな時期となります。 昨年や一昨年は過剰在庫がたくさんあったため、この時期に在庫のタイト感はありませんでしたが、通常8月というのは在庫が一番少ない時期です。 そして、新米が出回るまでの、在庫でなんとかつないでいく時期に、地震による備蓄需要が増加したことが、今の “品薄感”や “高騰感”につながっている可能性があります」(同前) また、2024年産のお米についても、具体的な数値はまだ出ていないものの、産地から話を聞く限りでは十分な収穫量を見込んでおり、来年1年間の需要量に対して、今年の持ち越し在庫と今年収穫するお米の量が下回ることはなさそうだという。
食糧の備蓄、目安は?
過去にも、それまで準備をしていなかった人たちが途端に”備蓄”をはじめたことで“騒動”が発生することがあり、たとえばコロナ禍では、学校給食が止まった影響などから、米や麺類の買いだめが行われ、欠品が出るなどしていた。 では、どのように食糧を備蓄するべきなのだろうか。 農水省では食糧を日常の生活で消費しながら、少し多めに購入し備蓄するという「ローリングストック」を奨励しているとのことで、HPでは「災害時に備えた食品ストックガイド」を公開している。 農水省の別の担当者は「特にお米を何日分用意するとかではなく、麺類などいろいろなもので、まずは3日分の食糧を。そしてできるようであれば1週間分の食糧を備えるよう呼びかけています」と備蓄の目安を説明する。 「買い占め」や「買いだめ」は混乱を生じさせる可能性があるだけでなく、同じ時期に購入することで一気に賞味期限が訪れるといった問題もあり、効率的とは言えない。普段から「万が一」を意識し、日常生活の中に備蓄を取り入れていくことが肝要だろう。
弁護士JP編集部