「公務員と大企業の正社員」ではどちらの生涯年収が高い?退職後の年金生活も考える
大企業や公務員は年金制度も充実
大企業や公務員は、いずれも世間一般より年収が高めですが、年金も平均より多くもらえる可能性があります。 大企業のサラリーマンや公務員の年金生活についてみていきましょう。 ●大企業の場合は年収の高さが厚生年金の受給額を増やす要因に 大企業のサラリーマンの場合、基本的に厚生年金に加入して毎月年金を拠出します。 厚生年金は、受給額が「平均標準報酬額」や「加入月数」で決まります。 平均標準報酬額はおおむね給与に比例するため、生涯賃金が高い大企業のサラリーマンは、平均標準報酬額が高くなりがちです。 そのため、世間一般より多くの年金をもらえる可能性が高いといえます。 ●企業の年金制度が充実している傾向に 事業基盤が安定していて余力のある大企業は、一般に中小企業より福利厚生が充実している傾向にあります。 その一環として、多くの企業で企業年金制度が導入されています。 日本の企業年金には大きく分けて次の3種類があります。 ・確定給付企業年金(DB):企業が従業員と給付内容を約束して、老後に内容に基づいた給付を受け取れる制度 ・厚生年金基金:確定給付型で、国の厚生年金に独自の上乗せをして給付額の増加を目指す制度 ・企業型確定拠出年金(DC):企業が拠出した掛金を各個人が運用商品を選んで老後まで運用する仕組み いずれも、国の基本的な年金制度である厚生年金・国民年金にさらに給付額が上乗せされる制度です。 企業年金が充実していれば、さらにゆとりのある老後生活が期待できます。 ●公務員も国民年金・厚生年金の制度はサラリーマンと同じ 公務員も国民年金や厚生年金については、基本的にサラリーマンと同じ制度に加入します。 公務員の平均年収が大企業並みであることを踏まえると、厚生年金に適用される「平均標準報酬額」が高くなる傾向にあるのは、大企業と同様です。 公務員は民間より業績悪化に伴うリストラや解雇に遭うリスクも低いため「加入月数」を長期化しやすいのも、特徴といえるでしょう。 以上の点から、厚生年金の受給額を増やしやすいと考えられます。 ●公務員には「退職等年金給付」という独自制度がある 公務員には、退職等年金給付(年金払い退職給付)という制度があり、これが企業年金の代わりとして機能しています。 同制度は、拠出額を半分ずつ「終身退職年金」と「有期退職年金」に振り分ける制度です。 公務員自身と国が負担し合って積立を進める仕組みとなっていて、利用すれば老後の年金を増やせます。