巨人、「筒香嘉智」獲得報道を考える「活躍できるかは甚だ疑問」【柴田勲のコラム】
萎縮していた?
巨人が阪神との開幕3連戦を2勝1敗と勝ち越したが、中日・DeNA6連戦を2勝4敗だった。どちらも二つ黒星が先行して3タテを免れるという格好だった。 【写真をみる】「こんなに立派だったの?」MLB時代フサフサだったオドーアの「あごヒゲ」
借金1。これも仕方ないな。阿部慎之助監督は選手たちに対してもっと楽しく、伸び伸びと野球をやらせた方がいい。私の目にはこの9試合、巨人ナインは萎縮していたように映った。 こう感じていた矢先にニュースが飛び込んできた。巨人が米ジャイアンツを自由契約になった筒香嘉智内野手、32歳の獲得に動いているという。ご存じの通り、筒香は日本で通算205本塁打を放っている左の大砲だ。外野手での起用となろう。
筒香獲得に率直な感想
開幕前に5番で右翼主候補だった新外国人選手、ルーグネッド・オドーアが退団した。オープン戦の成績が悪かったこともあって阿部監督からファームでの調整を命じられ、これを拒否しての帰国となった。 一度記したが、この扱いには首をかしげた。公式戦で20試合くらい起用してダメだったら話も分かる。 でも公式戦で一試合も使わず、開幕前に再調整ではメジャーのプライドが傷つく。巨人はメジャー通算178本塁打の実績を評価しての獲得ではなかったか。 一番期待していた新戦力をファームに落とそうとして逃げられたら、今度は筒香……解せない。使ってみればよかっただけのことだ。 開幕戦で攻守にわたって活躍した梶谷隆幸が左ひざの違和感で早々と離脱した。左の外野手が次々といなくなった。まあ、こんな事情があっての筒香獲得だろうが、日本球界に復帰してそれなりに活躍できるのか、甚だ疑問だ。
「シーズン中も競い合ってほしい」と言っていたはず
筒香は、渡米5年目の今季はマイナー契約でジャイアンツの招待選手としてメジャーのキャンプに参加したがマイナーに降格し、3月21日に退団。その後米球界のオファーを待っていたがどこからもお呼びがかからなかった。 こんな経緯を見ても大きな期待はかけられないと思う。最近はマイナーでの出場も限られ持ち前の長打力も影を潜めていた。 巨人には新人の佐々木俊輔、萩尾匡也、松原聖弥、オコエ瑠偉、浅野翔吾、ベテランの長野久義、重信慎之介、いまはファームだが秋広優人もいる。外野手は豊富だ。阿部監督はオドーアが退団しても「大きなチャンスになる。みんなでシーズン中も競い合ってほしい」と話していたではないか。 まさにチャンス到来で既存戦力の底上げが可能だ。どんどん使えばいい。梶谷の離脱もあってチームが一丸になる必要がある。みんなで競うことによってチームは活性化する。そのための環境も必要だ。